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巾着(きんちゃく)

挿絵 480*480

油揚げの内部に具材を詰め、口を爪楊枝で閉じるかカンピョウで縛った物を、その形状が似ていることから巾着(きんちゃく)と呼ぶ。

中にどんな具材が入っているかは食べてからのお楽しみという、わくわく感がある。おでんの具としては、餅を中に詰めることが多く「餅巾着」と呼ばれる。稀にすり身やしんじょが用いられる場合もある。
店によってはしらたきや鶏挽肉、野菜などを詰めている場合もある。いずれもつゆをたっぷりと吸って味が染み込んだものが美味しい。

巾着は、関東風おでん発祥の店とされる本郷の「呑喜」で開発されたようだ。
本来は季節の数品目を入れ、袋からつまみつつ日本酒をゆっくり飲めるように考案されたつまみメニューであったが、腹を減らした近くの東大などの学生客が、たちまち平らげるため、牛肉やしらたきなどの具入りに移行したと「呑喜」の主人は語っている。

稀に、油揚げを表裏ひlっくり返して使う店がある。そうすることで、表面のように油をはじきにくく、よりつゆが染み込みやすくなる。

更新日:2022-03-06 11:23:02

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