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大根

挿絵 640*399

大根は、おでん種の王様である。素朴な野菜ながら、それを煮崩れしないように、しかもしっかりと味を染み込ませるのは職人技が必要である。

大根は厚切りにして、皮を剥いたもの。柔らかくするために別に米のとぎ汁で下茹でしてから使う。煮崩れしないように角を「面取り」してから煮込む。
おでんの極意は、囲炉裏の自在鍵に掛けた鍋の如く、弱火でコトコト長時間煮込む。一説には決して沸騰させず、80℃くらいが適温だという。しかも一度煮たら鍋のまま煮汁ごと冷まし、室温まで下がったら冷蔵庫で一晩味を馴染ませる。

おでんは大きな鍋で多種多様な材料を一緒に煮込むので、だし汁に加えて材料の旨味が相乗効果で混じり合う。但し、度を過ぎると「ごった煮」となってしまい、味も濁る。ぶり大根のような濃い味ではなく、素材の味を殺さずに薄味に仕上げるのがポイントである。

家庭では手間と煮崩れ防止のために、下茹でを電子レンジで行う方法もあり、下茹で済みの大根を販売している店もあるので、要チェック。
大手スーパーでは完成品のおでんは勿論、おでん用に煮込んだ大根のみも販売されています。

更新日:2022-03-06 16:29:29

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