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静岡おでん

挿絵 640*480

海に面した静岡県では、魚介類を使った独特なおでんがある。焼津港を中心として作られる「黒はんぺん」が特徴的だ。かつては多くの駄菓子屋でもおでんを販売していた。

一般的なはんぺんは、白くてフワフワとした食感だが、黒はんぺんはサバやイワシなどの青背の魚を使い、文字通り色が黒っぽく山芋は用いずに、つみれのようなしっかりとした食感だ。しかも煮汁はかなり濃いめで、牛すじ、鶏ガラや豚もつなど肉系の出汁で、仕上げに「だし粉」と呼ばれるイワシの削り節や鰹節、青海苔をかけて食べられることが多い。しかも全ての種に竹串を刺して、具を手に持って食べられるようになっている。他にもカツオの心臓や、ナルトなど港町らしい独特な具が使われる。

静岡県内でも県西部では、愛知県などと同様に通常のおでんが関東煮(かんとに)と呼ばれ、おでんと言う場合は味噌おでんや味噌田楽を指す。

全国的には静岡おでんの知名度は低かったが、俳優の佐藤浩市が出演した「キリン一番搾り」キリンビールのテレビコマーシャルで取り上げられたことから全国的に注目され、一種のブームにつながった。

更新日:2022-03-06 09:41:15

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