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鯖(サバ)

挿絵 720*480

サケと並んで輸入量が多い魚がサバである。近年、健康志向の高まりで人気が過熱しているサバであるが、スーパーに出回っている塩サバの半数はノルウェー産だと言われている。1980年代の乱獲により、日本近海はさば不足に陥りました。不足分を補うためにノルウェーのさばが輸入され、その後の発展は周知の通りです。

2020年のサバの輸入量は5万2751トン。輸入元はノルウェーが4万5751トン、112億円で全体の約87%と突出している。ノルウェーからの輸入量で、2010年から2018年の間で最も多かったのは2017年の20万6527tである。
ノルウェーから中国やベトナム、タイなどに輸出されて、現地で加工されたサバも輸入されている(さらに缶詰等の調製品も、ベトナムやタイなどから年間2万5500トン余り輸入されている)。

ノルウェーの海域で獲れるのはタイセイヨウサバで、脂の乗りがよい秋に集中的に漁を行うことで知られ、資源管理も徹底している。

サバの干物の製法のひとつに「文化干し」という特有の製法がある。
透水性のあるセロファンなどに挟み、吸湿剤の中で乾燥させた方法で、セロファンの孔径により、臭みの原因となる成分は透過し、アミノ酸などの旨み成分は透過せず、魚に残されます。空気や太陽光に触れないので、成分や外観の変質が起きにくいのも、文化干しの特徴です。

発砲スチロールや真空パックがなく、干物の包装材として木箱や新聞紙を用いていた時代。東京都江東区にある1950年創業の水産加工物会社「東京仙印商店」が魚の干物をセロファンで巻いて販売したところ、その梱包があまりにも画期的で見た目も美しく、「これは最先端で文化的だ!」と話題になり「文化干し」と表現されるようになったのが始まりだとか。

今や健康ブームで、サバの缶詰が数多く販売されています。それぞれ原料や味付けに違いがあるので、食べ比べても面白いですよ。
白いご飯のお供だけでなく、カレーやパスタ、グラタンなどにも使われています。

更新日:2022-02-12 10:27:01

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