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焼き餃子

挿絵 800*529

もはや国民食とも言えるほど日本人が大好きな中華料理のひとつが餃子ですね。しかし焼き餃子は本場の中国では「日式餃子」と呼ばれています。中国で餃子といえば水餃子や蒸し餃子を指します。たた、余った水餃子を翌日に鍋で焼いて温めて食べる習慣はあるそうです。

そしてその水餃子は主食の位置づけになるようです。粉物である餃子は麺類と同様に主食扱いで、中国人にとっては日本のラーメンライスや餃子ライスは主食がダブり、例えばピザを食べながらパンを食べるような違和感を感じるようです。水餃子は焼き餃子と比べると皮が厚く、存在感があるので主食としても成立するのかもしれません。

日本の焼き餃子はニンニクが入っていますが、中国の水餃子はニンニクは入ってません。これも日本のオリジナルです。中国ではにんにくは別で一緒に食べるか、餃子たれに、にんにくを加えるというのが一般的なようです。

焼き餃子のルーツは、現在、餃子の町として知られる宇都宮や浜松などは、いずれも満州軍や満州開拓団とつながりがある地域であることから、餃子が満州からの引揚者などから日本に広まったことは明らかだ。

東京渋谷の「有楽」は、中心街だった百軒店に1948(昭和23)年に開店した店である。旧満州の大連から中国人の妻を伴って引き揚げてきた高橋通博は、満州で食べた餃子を再現して売り始めた。1952(昭和27)年、店は「珉珉羊肉館(ミンミンヤンローカン)」と名前を変え、渋谷の恋文横丁に店を構える。小学館発行の雑誌『サライ』1999年9月16日号に掲載された、「珉珉羊肉館」の当時の店主で通博夫人の高橋美枝子へのインタビューをもとにした記事には以下のように書かれている。
 「ジンギスカンなど羊肉料理のほか、水餃子と焼餃子を出したら、この焼餃子が当たった。惣菜としてご飯に合い、酒の肴としても受けたのだ」

更新日:2022-02-06 13:48:55

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