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天津飯/天津麺

挿絵 400*301

天津飯は、かに玉(芙蓉蛋)を米飯に載せ、とろみのあるタレ(餡)をかけた日本では人気の中華料理。天津飯や中華丼などの丼物は人気の高い料理ですが、中国ではご飯とおかずは別々に食べることがほとんどです。中国の天津に天津飯という料理はありません。中華丼やあんかけ炒飯も同様です。

中国でご飯にのせて食べる丼物といえば「蓋飯(ガイファン)」が有名です。また、汁気のある炒め物をご飯にかける「燴飯(ホイファン)」もありますが、これらは手早く食事を済ませたいときの食べ方。中国の家庭料理にあたるもので、お店で食べるような本格的な中華料理ではありません。

かに玉は日本では全卵を使うのが一般的ですが、中国では広東語で「芙蓉蟹(フーヨーハイ)」と呼ばれ、「芙蓉」とは、蓮の花。つまり白い花をイメージしているため、中国では卵を芙蓉の花に見立て、卵白だけを使うのが一般的です。

天津飯のルーツには2つの説があり、東京の「来々軒」と大阪の「大正軒」のどちらかが発祥の店と言われています。
東京の来々軒は、ラーメンを初めて日本で提供したことでも知られる有名な中華料理店(1994年閉店)。客からの「早く食べられるものを」という要望に応えて考案されたとされています。
一方、大阪の大正軒で生まれたとされる天津飯は、戦後の食糧難に中国天津市の人たちの食習慣であった「蓋飯」をヒントに作られたものでした。

天津飯のカニ玉のあんの味には、甘酢あんと、醤油餡の2種類があります。主に、関東は甘酢あんかけ、関西はあっさりとした醤油あんかけが多いようです。

更新日:2022-02-07 09:57:06

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