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担々麺(ダン・ダン・ミェン)

挿絵 800*534

日本では中華料理の人気メニューとして親しまれている担々麺ですが、現在のようなスープヌードルは日本で誕生した和製中華メニューなんです。

担々麺の発祥は、1841年頃の中国四川省で天秤棒を担いで売り歩くというスタイルから担々麺と名付けられたと言われています。天秤棒の片側に七輪と鍋を、もう一方に麺、調味料、食器、洗い桶などを吊して担いで売り歩いた。温かくて辛い麺を出したのが受けて流行ったという。だから本来のスタイルは「汁なし担々麺」である。

日本で広まった汁ありタイプの担々麺を開発したのは、四川省生まれで「日本の四川料理の父」と呼ばれた陳建民氏だと言われています。「料理の鉄人」として知られる赤坂「四川飯店」の陳健一の父親です。

四川省で誕生した担々麺は汁なしの小さなもので、当初は自分が営む日本の店でもこのスタイルで客に供していましたが、当時の日本人の味覚には合わずに不評だったようです。
そこで陳建民は、先に広まっていたラーメンをヒントに芝麻醤(チーマージャン)というゴマのペーストを加えた多めのスープに変えて提供すると、これが一躍評判に。かくして日本では、陳氏のレシピの坦々麺が一般的な担々麺になりました。

担々麺は、そのルーツが天秤棒を“担いで”売り歩いたことから付けられたため、「担」の字を使うのが理屈に合っているといえます。日本では「担々麺」と表記されることが多いのですが、ルーツである中国・四川省では「担担麺」という名称が地方政府によって商標登録されています。
また、日本では平らな土地や道を意味する土偏の「坦々」という誤記も見受けられます。これは初期のワープロやパソコンの当時の漢字変換によるものと考えられます。

更新日:2022-02-06 08:30:28

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