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怪物たちの戯れ

 そうしてチョースがしゃべっている間に、医療室のドアが解除されて開いた。
 そのドアに体重を預けて聞き耳を立てていたらしく、オペレーター職員が次々に床に投げ出された。

 ドアを速攻で封鎖したレイクの手際を見て、どうやら彼らはここへ駆けつけずにはいられなかったようだ。
 音声を遮断されているため、中の様子を知ろうとドア越しに耳を澄ませていたらしかった。そのドアをいきなり開けられたので、寄りかかるようにしていた者らがまとめて倒れ込んだのだ。



 ミミー所長本人は少し離れた所に立っていたため、倒れた人々の中にはいなかった。
 彼女はそんな床に倒れた屍たちの中を、ずんずん歩いてきた。そして入り口から部屋の中央まで進み、腰に手を当てて止まった。

 診療室の奥に置いてあるコンピューター機器の椅子に、レイクが座っているのを見つけると、彼女はそちらを向いて怒った声を出した。
フ「これからは好き勝手させないわよ。ここの責任者は私なんですからね。分かった?レイク」
レ「はい」
フ「‥素直すぎるわ。またやる気ね。可愛い顔して。チョースとおサルの兄弟みたいに抱き合って、そんなとろけるような笑顔で私を見ないで」
 いまだに憤懣やるかたない様子で、彼女は文句の矛先をさらに広げた。
フ「ユネスト、ちゃんと服を元通りに正しなさいよ。まったくあなた達って‥私と職員だって唖然とするくらいにクレイジーよ。あんなビデオ、持ってるだけで地獄へ落ちるわ。捕まれば即、死刑か無期懲役を宣告されそうよ」
チ「撮ったのはあんただろ。こいつらはサービス過剰なんだ。ユースも併せて、そんな人間が三倍の効果を生ませた。
 あれにはいくら欲求不満のあんたたちでも、堪能しましたと認めるだろ。いい加減、煩悩は去ったか?女などさっさとアホな男を捕まえて、結婚して家に引っ込んで子供でも作ってりゃいいんだ。息子をオカマにして、父親なり兄弟なりとやらせて、思う存分ビデオ収集したらどうだ」
フ「お尻を見せてよ、チョース。何だかヒクヒクしてるわよ。まだ勃ってるし。
 レイクとやりたいのね?その子は基本的に、意地悪なんだわ。そんなソソる首すじして、背骨もお尻も唇も“やって下さい”って頼んでるようなもんなのに。

更新日:2022-03-03 10:19:38

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ORIGIN180E オリジナリズム編 13