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心赦すとき
ロリーナの素速い対応により、カエルおじさんは一命を取り留めた。救急搬送される前に衣服は着せておいたし、ロリーナが子供だということから、何も怪しまれることなく済んだ。ただ、学校名に住所と電話番号を控えられた。いずれにせよ、病院にはまた来るのである。隠すつもりもなかった。母親に連絡が行かなかったことは幸いだったとロリーナは思った。
カエルおじさんの意識はすぐには戻らず、帰り道、ロリーナは耐え難い不可解な不安に襲われ、ムケルくんにメールを打った。
ー あたし。今から会えない?
返信はほんの数秒後に届いた。
ー もう夜だぞ。どうしたんだよ。
ー なんか、淋しくて死にそうなの。知ってる人が死にそうなの。うちに帰っても一人だし、来てくれないかな。
ー ちょっとだけならいいよ。お前んち、どこだっけ?
ロリーナは説明し、指定した場所でムケルくんを待った。
「よう!」
「あ」
ムケルくんが街灯の下に顔を見せたとき、はからずもロリーナの胸が弾んだ。
「うちに入って。」
「本当にいいのかよ。」
女子の家に入ることなど、初めてで気後れのするムケルくんだったが、誰もいないそうだし、セックスまでした仲なのだからと、自分を勇気づけた。
母親と二人暮らしの女所帯だという家の中は、ムケルくんの予想に反し、大層な散らかりようだった。床には、脱いだ服や本、菓子の袋などが方々に投げ捨てられていた。案内されたロリーナの部屋の床には、剥き出しの汚れたパンツが何枚もあった。
「女の部屋って、綺麗なもんだと思ってた。」
呟くムケルくんにロリーナは
「人生に期待なんかしちゃ駄目。」
そう言うと、着ていた制服のスカートをすとんと下ろした。下には何も穿いていなかったから、下半身だけ真っ裸のおかしな格好になった。
「何で脱ぐんだよ。」
「男女が二人でいたら、こうなるの当たり前でしょ。ムケルくんは脱がなくてもいいけど。」
言い終わった頃にはロリーナは、靴下もない全裸だった。外国人少女の体臭が染み付く部屋に、温かみのある生の体臭が新たに加わった。
「抱いて。話聞いてほしい。」
カエルおじさんの意識はすぐには戻らず、帰り道、ロリーナは耐え難い不可解な不安に襲われ、ムケルくんにメールを打った。
ー あたし。今から会えない?
返信はほんの数秒後に届いた。
ー もう夜だぞ。どうしたんだよ。
ー なんか、淋しくて死にそうなの。知ってる人が死にそうなの。うちに帰っても一人だし、来てくれないかな。
ー ちょっとだけならいいよ。お前んち、どこだっけ?
ロリーナは説明し、指定した場所でムケルくんを待った。
「よう!」
「あ」
ムケルくんが街灯の下に顔を見せたとき、はからずもロリーナの胸が弾んだ。
「うちに入って。」
「本当にいいのかよ。」
女子の家に入ることなど、初めてで気後れのするムケルくんだったが、誰もいないそうだし、セックスまでした仲なのだからと、自分を勇気づけた。
母親と二人暮らしの女所帯だという家の中は、ムケルくんの予想に反し、大層な散らかりようだった。床には、脱いだ服や本、菓子の袋などが方々に投げ捨てられていた。案内されたロリーナの部屋の床には、剥き出しの汚れたパンツが何枚もあった。
「女の部屋って、綺麗なもんだと思ってた。」
呟くムケルくんにロリーナは
「人生に期待なんかしちゃ駄目。」
そう言うと、着ていた制服のスカートをすとんと下ろした。下には何も穿いていなかったから、下半身だけ真っ裸のおかしな格好になった。
「何で脱ぐんだよ。」
「男女が二人でいたら、こうなるの当たり前でしょ。ムケルくんは脱がなくてもいいけど。」
言い終わった頃にはロリーナは、靴下もない全裸だった。外国人少女の体臭が染み付く部屋に、温かみのある生の体臭が新たに加わった。
「抱いて。話聞いてほしい。」
更新日:2022-07-10 19:26:13