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 ベンチやカフェテーブルや椅子などもあり、天気のいい日はそこで食事をする事も出来た。
 夜も更けた今は、もちろん客は誰もいなかった。ただ窓からの明かりが漏れるベランダで、外気に当たりたい人のためだけに鍵は開けられていた。



 ダグラスが自分もベランダへ出ると、ユネストはブランデーのグラスを持ちながら夜空を見上げていた。
 そんな相手の様子を見ながら、ダグラスは思ったままの印象を言った。
ダ「どうしました、荒れてますね。ルーが体内に戻ったんでしょう?あなたはずっとそれを待ってたじゃないですか」
ユ「下じゃまだ勃ってる‥。俺はさっきまで息子とセックスしてた。ユースにもチョースにも遠慮なく突っ込んで、獣のように犯しまくってた。こんな男がよく銃殺刑にならないもんだ。レイクの世界は甘すぎる。甘すぎて、自分が獣になるのを止められない。牢獄の鎖に繋がれていないと、どんな事でもやりかねない。カンムにもアーサーにも渡したくなくて、レイクを連れて逃げ出して、殺すまでセックスをするかもしれない。ルーシーを今の父親から引き離したら、彼女まで強姦するのかもしれん。自己主義とは、そんなのもアリの世界なんだろ?」

 そうやって一気に思いを吐露したユネストに、ダグラスは感化されたのかもしれなかった。
 彼はいつもより饒舌になって、相手への説得を始めた。
ダ「あなたの望みとは何です?何にそう気を使って、肩身の狭い思いをしてるんですか。あなたに牢獄は似合わないんだ。狭い冷凍管や東洋の島や、病院の一外科医など‥あなたはもっと、大きな事が出来る人だ。自分をもっとちゃんと見たらどうです。いつも小さくなろうとするから、そんなに何でも我慢してしまうんです。
 レイクの養育権が欲しいんじゃないですか?カンム先生と一緒に、あの子を育てたいんでしょう?ルーシーを育てられなかった分、レイクをこれから愛情を込めて育てたい。セックスも含めた愛情で、むせかえる程にしたいんだ。あの子もそれを求めてる。だったらそうしなさい。他のどんな制約も、考えるのはやめるんです。…ユースなら一人でだって生きて行けます。彼に責任を感じるのはやめてください」

更新日:2021-12-15 23:59:25

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