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身支度

 スィートルームは大きな一間だけの部屋かと思われたが、実際にはちゃんとバスルームがついていた。
 部屋の中にはジャグジーがいくつもあったが、それはプレイ中のお楽しみ用らしかった。
 ベランダの向かい側にはミニバーがあり、その壁際に並んだいくつかのドアの一つがバスルームになっていた。そこには体を洗うバスタブや、用を足すトイレや、身だしなみを整える洗面所などが一通り備え付けられていた。


 レイクはちゃんと風呂に入って体や髪を洗いたかったので、バスタブにお湯をいっぱいに入れた。

 そしてそれに浸かったものの、あちこちに傷があるためあまり長く入っていられなかった。
 湯船から出て浴室のガラスに肛門を映してみると、そこが透明な糸で細かく縫合されているのが分かった。彼は顔をしかめて、その部分に手早くボディーソープの泡をつけ、シャワーでさっと洗い流した。






 チョースが食事を済ませたようで、二階に上ってきた。
 彼は風呂のガラス製ドアの向こうに姿を見せ、少し開けて顔を差し込んだ。
チ「シャワーだけにしとけ。傷口が開くぞ」
レ「分かってるよ。もう出発するのか?髪を洗ったから乾かしたいんだ。もうちょっと待ってくれ」


 レイクは歯を磨いてバスタブの栓を抜き、シャワーで体を洗い流した。そしてドアのそばに置いておいたガウンを羽織って外に出た。

 するとチョースが外から着替え一式を持ち、再び脱衣所に入ってきた。
 レイクがバスタオルで髪を拭き始めると、チョースは彼を壁際まで押して行った。そして両腕を肩に置き、唇にキスをした。
チ「よく湯に浸かれたな。染みただろ?」
レ「うん」
チ「出血してないか、見せてみろ」
 彼はレイクのガウンを脱がせ、後ろを向かせてそこを見た。
 そしてその部分に指を這わせて、顔を近づけて行った。レイクが微妙な感触に気づいて、やや腰を引いた。
チ「薬を塗ってやるよ。それを取ってくれ」
 洗面台の上に、白いチューブ型の傷薬が置いてあった。それは昨夜、診察してくれた医者からもらったようだった。
 床にしゃがんだチョースはそれを受け取ると、中の薬をレイクの傷口に塗り始めた。

更新日:2022-01-25 19:49:44

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ORIGIN180E オリジナリズム編 12