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日野大尉と徳川好敏大尉

挿絵 512*213

日本で最初に動力飛行機で空を飛んだのは、日本陸軍の日野熊蔵でした。1910(明治43年)年12月14日のことです。この日、日野大尉の乗ったドイツ製単葉機ハンス・グラーデは代々木練兵場の滑走路を駆け出し、ふわりと空を飛びました。飛行距離25m。第2回目は60m。まさに歴史的な瞬間です。翌日、公開試験飛行が行われ、日野は再び50mの飛行に成功しています。

同年の12月19日、陸軍の徳川好敏大尉がフランス製複葉機アンリ・ファルマンで3000mの飛行に成功しました。同じ日、日野大尉も700mの飛行に成功しています。
なぜか日本では「日本初飛行の日」が12月19日とされています。
軍としては「徳川」の血を引く人間に栄誉を与えたかったということでしょうか。

本邦初の航空機墜落による死者は、大正2年(1913)3月28日の徳田金一郎中尉と木村鈴四郎中尉です。青山練兵場で開催された軍の飛行展覧会でデモンストレーションを行った後、所沢に向かう途中で墜落死しました。

一方、日本初の民間の事故死は、同じ年の5月4日のことでした。大阪朝日新聞社主催の京都ー大阪連絡飛行大会に参加した武石浩坡が、成功後、京都・深草練兵場に帰還したときに墜落死しました。

更新日:2021-09-15 06:05:58

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