官能小説

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 ふと見ると青野がいない。そして、窓から校庭を見たら、さっきから走っているサキに青野の加わったところだった。
 石田先生と一緒に登校するサキは朝が早いのだ。
 サキは中学はどうするのだろう。本来なら外国へ行くつもりだったのかもしれないが、父親は逮捕されてしまった。強制送還されたりするのだろうか。
 サキもいなくなり、青野と別れて卒業したら、僕はまた一人か。佳恵は同じ中学に上がりそうだが、懇意なわけでもない。
 青野と別れなければ、僕は青野の庇護のもと、中学校生活を送るのだろう。それも情けないことだ。サキは中学できっと虐められるだろう。僕とサキが二人でいたら、僕も虐められるに違いない。
 暗い気分になってきたところへ、サキと青野が戻ってきた。もう教室も賑わっている。
 青野はまっすぐ自分の席へ行き、サキはこちらへ歩いてきた。サキの席は僕の右隣だ。頰が寒さで真っ赤に染まっている。
「二十周もしちゃった。」
「よくそれであとから眠くならないな。」
「夜は寝てるもん。」
 サキは椅子にどかりと座って、ランドセルから分厚い聖書を取り出した。僕は見て
「そんな物、持ってきてるのかよ。重いのに。」
「時間潰しになるじゃん。こんなに厚かったら簡単に読み終わらないし。立哉も筋トレのために持ち歩くといいよ。」
「むう。そうだな。同好会長としてはな。」
 取り敢えず、平和だ。
「きりーつ、礼! おはようございます!」
 石田先生が入ってきて、三学期、級長になった佳恵が号令をかけた。不動クラブの二人なので、軍隊式の厳しい雰囲気がある。
「今日は屋上で半日凧を作る。」
 クラスの半分から歓声が上がった。青野も嬉しそうにしていた。僕は、寒いし面倒なので嬉しく無かった。凧揚げは石田先生の趣味で、それを僕らはときどき強要されているのだった。

更新日:2021-09-09 19:19:28

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