官能小説

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恋愛談議

 月曜日、朝の会の前に青野が僕の机へやって来た。
「あたし、しばらくあんたから離れてる事にする。あんたも話しかけないで。」
「うん。」
 地蔵クラブから何か言われたのかもしれないし、退会させられる事だってあるかもしれない。青野は辛そうだった。
 青野が去ると村澤が来て
「お前ら、別れたとか?」
「まだ分からない。」
「こんな時に何だけど、聞いてくれ。俺、きのう笹生と初めてキスした。」
「キスだけ? あの笹生が?」
「いや、まあ、その。」
「どうだった?」
「驚いた。あんなふうになってるなんてな。妹の見たことあるけど、なんか違ってた。笹生、詳しくてさ、男のこともいろいろ教わったよ。」
「言いなりにはなるなよ。」
「お前に言われたくない。」
 僕は、これまで男子とこんな話をしたことが無かった。僕らは大人になりつつあるのだ。
 その僕らは、もうじき卒業式を迎えようとしている。清浄界に繋がったようなクラスが別れ別れになるのだ。
 最後まで何者でもない僕が、卒業に際して青野と失恋することも、運命なのかも分からない。

更新日:2021-09-09 19:17:58

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