官能小説

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玉手箱

 事もあろうに、翌日、クリスマスイブの朝から僕は風邪で寝込んでしまった。熱がかなり高かった。青野と会う約束も反故になった。こういう大事な時に居なかったり、病気になったりするのは僕の特技のようだ。
 けれども青野は見舞いにやってきた。約束の主体をすり替えて人にやらせるのも僕の特技なのかも知れない。情けないことだと思った。
「はい、プレゼント。あした開ければいいから。」
「僕もあるぞ。机の上の、持ってって。」
「どっち? これ開いてる。なに、十字架?」
「それじゃない。」
「ありがと。あたしも明日開けることにする。明日には治るの?」
「知らない。」
「二人きりで過ごしたいのに。」
「いつも大抵二人きりだろ。今だって。」
「特別な日にそうしたいの。」
「人の誕生日じゃないか。」
「そう言えば、あしたの朝早くから地蔵クラブのクリスマスパーティーがあるんだった。」
「宗派は? お地蔵さんて、太っ腹なんだね。」
「昨日は何してたのよ。」
「フェオソフィエワさんに会ってた。街でいきなり会ったんだ。」
「ええ? 馬鹿なんじゃないの? この間のこととか、小薗江のこととか、どう思ってるのよ。あんた、確実に目、付けられてるよ。小薗江みたいになるのがオチ。あんな女は忘れなさい。」
「いい人だと僕は思う。キリストの誕生日ちゃんと祝えって言われた。悪魔がそんなこと言う? ただ、何だかやんわり突き放されたような気もする。」
「何か魂胆があるに決まってる。もうあの女の話はやめて。あたしとセックスしなさいよ。今すぐ。クリスマスなんだし。」
「何だよ、いきなり。だから、クリスマスは人の誕生日なんだってば!」
「関係ないでしょ。」
「ほんとに関係ない! お前と違う意味で。」
「さっきから、あそこが熱くて痒いのよ。あんた横になってるだけでいいから。するからね。」
「ほまれさんに怒られるぞ。風邪もうつるぞ。」
「うるさい!」
「うっ!」
 トイレにしゃがむ要領で、青野は僕の顔に裸の尻を据えた。いつもよりも女っぽい、ものすごいにおいだった。下では青野が僕のパンツを引き下ろしたのを感じた。

更新日:2021-07-25 06:59:50

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