フェオソフィエワさんとの一件があってから、僕は本当に、いろいろな事に無気力になってしまった。
　ダイヤモンドファイヤーの参加も休止した。活動自体は村澤と笹生が続けていて、下級生も二、三人入ったらしい。
　青野の話では、ディアボロス連合の全体的な動きと、フェオソフィエワさんの今回の行動とに関わりはなく、フェオソフィエワさんの個人的な楽しみに過ぎないらしいということだった。フェオソフィエワさんに好かれた事で、僕の身は却って安全ですらあるそうだ。
　けれど、ある意味で僕の首根っこはフェオソフィエワさんに押さえられている。だから油断は禁物だとも言われた。
　彼女はもう町にはいない。それで、危険は去ったとして、悪魔の話は聞かなくなった。
　ところが、冬休み一週間前の月曜日、佳恵が学校を休んだ。噂では、三組の奴らと喧嘩したらしい。以前僕を裸にしたあいつらは、僕には関心を寄せなくなっていたとは言え、素行に問題のある奴らには変わりなかった。
　リーダー格の一人は小薗江と言ったが、この半年のうちに随分と体格が良くなっていた。鍛えてもいるのだろう。この数ヶ月は、眉毛を剃ったりして、いかにも悪そうな顔つきになっていた。