官能小説

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悪魔の手腕

「先生、不動クラブってご存じですか。」
 青野瑠璃は担任の石田正蔵に尋ねてみた。
 石田は瑠璃の顔を一瞬見つめてから
「知っているのか。聞いてどうする? 入りたいのか?」
「あたしは地蔵クラブの会員です。」
 石田の態度が改まった。大人が子供の前で威儀を正した。
「そうか。大したもんだな。身分の開示は禁止じゃなかったのか。何があった?」
「辻くんが休んでいますでしょう? 様子が変なんです。先生は、リリート=フェオソフィエワって知ってますか。」
 石田が顔色を変えた。
「ディアボロス連合の事実上の会長。東欧の出身だが、天才的な芸術家だと聞いてる。関わったりするなよ。」
「この町に住んでいて、辻くんがもう会っています。」
「うーん。上級者は知っている筈だがな。とにかくお前たちや先生なんかに手が出せる相手じゃない。」
「でも、友達を放っておけません。」
「確かに、生徒を放っては置けないな。何か動きがあったら教えてくれ。」
 瑠璃は村澤にももちろん相談をした。
「あんたも会ったことあるんでしょ?」
「ああ。でも、すごく優しそうな人で、悪魔ってイメージ、何にもなかったな。外国人だけど、落ち着いていて大人しそうでもあったし。辻が何かされるとは考えられないよ。」
「確かに、辻から何かするような度胸もないよね。」
 瑠璃は、ほまれに詳しく聞いてみなければと思ったが、まず、立哉に会ってみるべきだと考え、その日の放課後、尋ねることにした。

更新日:2021-06-20 09:25:22

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