官能小説

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誘惑

青野の家に行ったら、ちょうどほまれさんがいた。落ち着いた感じが秋のこの季節によく似合っていた。この人の前に来ると、自分でも落ち着いてくるのが不思議だ。
「村澤君、明王クラブの系列に入ったそうね。辻君は誘われてない?」
「いえ、別に。」
青野が
「不思議ね。もともとあんたの方が熱入れて掃除してたのに。」
僕は
「ダイヤモンドファイヤーと関係あるわけ?」
ほまれさんは
「烏枢沙摩明王はトイレの神様なの。明王だから、やっぱり強さの道。」
僕は
「確かに、村澤は芯が強いです。ともかく、僕は強くないですから。ダイヤモンドファイヤーは辞めないけど。何だか、うちのクラス、みんなクラブに入っていくような・・・本当はなんなんですか、クラブって。」
「人が次のステップに上がるための集まり。人はみんな違うから、クラブもいろいろ。」
「なんだか恐いです。操作されてるみたいな。ステップ、上がらなきゃいけないんですかね。僕はのらくら生きたいなあ。」
青野は
「でも、そっち系の恐いクラブもあるって。うちのクラスには居ないけど。」
ほまれさんが
「声の掛かるような人も居ないから。」
僕は
「どっち系?」
ほまれさんは真面目な顔で
「悪魔。あなた達にも隙はあるんだから。誘惑したり脅したりして人を貶めていく方向の集団よ。明王クラブに助けられたのよ、辻君は。」
青野は
「あんた、女子トイレ、大好きだもんね。」
ほまれさんはたしなめて
「瑠璃ちゃん、あなたが女の体使って辻君にしてる事、知ってるよ。男の子を弄ぶと悪魔に隙を与えるわ。」
青野は真っ赤になった。そして
「気を付けます。」
僕は
「クラブに入らないと駄目なんですか。」
「そんなことは無いけれど、どこかで向こうに繋がっていないと危ないの。向こうも働き手を欲しがっているし。」
「向こうって?」
僕が聞くと青野が
「清浄界。」
「宗教だよな。」
ほまれさんは
「まさにそう。現代人は物質界に深く沈みすぎた。そのくせ、悪魔には手の出しやすい性質を伸ばしてしまった。それで、積極的に清浄界からも働きかけることになったのよ。規制が解除されたから。」
しかし、清浄界もどこへやら、僕は、ほまれさんの話より、薄着のブラウスの肩口から覗く青野の乳首が気になって仕方なかった。

更新日:2021-06-12 15:02:23

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