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1.Posterity

挿絵 256*400

今から何百年も昔のこと・・・
勇者が大魔王を倒し、世界を救ったという。

誰もが知っている、大事な歴史。
彼がいなかったら私自身は勿論、今の世界も存在しないだろう。

勇者とその仲間は剣術、武術だけではなく
魔術をも操ることができ、
モンスター達をその能力で倒していった。

でも何故だろう・・・
人々は魔物達の恐怖から解放され、自由になった途端
そのような特殊な能力を操る者を畏れ、隔離しようとした。

そうして魔術は忘れられていった。
現在では空想のものとしか思われていない。

悲しいことに、今は世界中で私利私欲のために人間同士が争っている。
勇者達が命をかけて護ろうとした人々が・・・
本当に皮肉よね。
魔王のような存在よりも厄介な気がしてならない。


私は人々を護る活動をしている。
両親の遺志を継いで。

皆が笑顔で暮らせる世界にする・・・
当然そうなることを望んでいるけれど
心のどこかで「無駄な活動かもしれない」と思ってしまう
冷ややかな自分も存在する。

戦のせいで両親が目の前で殺されたからなのか
私自身も世間から排除されるべき存在だからなのか・・・


私の名前はリサ。

勇者と旅を共にした賢者の子孫。
今となっては数少ない、魔術の能力継承者だ。

更新日:2015-05-18 00:51:08

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