官能小説

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自宅出産

 麗子は出産を控えていた。本人の希望により、自宅出産だった。麗子は立ち会いを作造に希望した。
 十二月末の寒い夜だった。
 自宅出産というのは、場所は妊婦が自由に選んで、そこに助産師が付き添うのだが、麗子はおかしなことを希望した。盥にお湯を入れ、そこを跨いで産むというのである。
 陣痛の間隔が短くなり、そろそろだと助産師が言うのに従い、麗子は裸の尻を作造に向けながら、盥を跨いでしゃがんだ。蛙のような格好で、和式便所で踏ん張るのにも似て見えた。子供の頭が出てきたら、作造に後ろから手で子供を支えてほしいと言った。
 初産ではあったが、麗子は実に腹が座っていた。周りの者が出産に不安を感じないほど落ち着き払っていた。
 肛門は勿論、陰唇も膣も尿道口も開いた稀に見る女性自身を真近にした作造は、独特な感慨に浸っていた。実子である豊作の生まれた時は、病院だった。作造は控え室で待っており、呼ばれて初めて見たのが、ベッドの上の豊子とタオルにくるまれた小さな赤ん坊だった。
「命っていうのはおかしなもんだ。糞や小便と変わらない所から、そういう排泄物と一緒に新しい人生が誕生するなんてな。」

更新日:2021-03-28 08:43:27

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