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アルルの冒険

【ある日、暗闇の魔力が弱まって、夜が短くなってしまった。
やっと夜になって眠ろうとすると、すぐに朝がやってくる。
元に戻すには《月の塔》の頂上にある神殿に注がれる、月の光を集めた魔導水《月の雫》を取って来なければならないらしい。

でも、月の塔は侵入者を防ぐために、いろいろな仕掛けが施されていて、今では誰も神殿まで行く事ができなくなってしまっていた。
それを聞いた1人の魔導師の少女、アルル・ナジャは立ち上がった。

「これじゃあ、みんなよく眠れなくてヘトヘトになっちゃう!」
「ボクが塔に行って、月の雫を取ってくるよ!」
「行こう!カーくん!」
「ぐっぐー!」

こうして散歩にでも行くような軽い足取りでアルルの冒険が始まった。
世のため人のため、何より自分の快適な睡眠のため。
愛と勇気とお供のカーバンクル、そしてやたらと大きなお弁当カバンを持って…】


「さあ、月の塔まで行くよ、カーくん」テクテク
「…おや、地上を歩くあの方は…」スー
「ん?わわっ、何!?」
「やっぱりアルルさんではありませんの〜」
「あ〜、ウィッチ!」
「こんな所でアルルさんに会うなんて珍しいですわね、どこに行くんですの?」(゜.゜)
「ボクはね〜、今、月の塔に向かってるんだ」
「アルルさんが月の塔へ?何をしに行くんですの?」
「月の雫っていう魔導水を取りに行くんだよ」
「ぐ、ぐー☆」

「ま〜アルルさん!さては私を差し置いて魔導の世界で名を上げるつもりですのね!?」o(`^´*)
「え?そんなんじゃないけど…」ポカーン
「許せませんわ〜!月の雫は私が取ってみせますわ!」
「ええ!?それはボクが…」
「お黙りなさい!私、アルルさんには負けてられませんのよ!?」
「ボクだって負けないよ!」
「ホーホホホッ!お馬鹿さんね〜、私の方が早いに決まってますわ〜」ピュー
「あ…ほうきに乗って行っちゃった。カーくん、ボク達も急ごう!」
「ぐ、ぐ〜!!」











更新日:2021-06-11 12:58:29

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