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小説

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はじめに

「ケサモッキ」という夏の別荘で過ごすのが一般的なフィンランド人の夏休みと言われますが、自宅とは別に土地と家を持つのは購入や維持費も掛かり、誰でも所有できるものではありません。何か所にモッキを持っている人もいれば、親族で共同所有する人もいます。使っていない時期に貸し出したり、投資として所有する人もいます。夏やクリスマス・新年、学校の秋・スキー休暇のようにまとまった休みのある時期は、早くから予約で埋まります。特に2020年春からのコロナ対策でリモートワークが増えたことから、田舎のモッキへ移住したり、海外旅行の代わりに滞在型の休暇を楽しむ人が急増しました。

私達が休日を過ごすモッキは、夫の父親の遺産として、母親と弟と夫の3人が相続したラップランドにある古民家と土地です。夫は幼少を過ごした生家であり、数十キロ離れた町へ移ってからも休日に通って過ごした家なので、仕事の問題さえなければそこに住みたいほど思い入れを持っています。実際、コロナで在宅勤務となった夏は、仕事用のパソコンとモニターを持ち込んで仕事場を作り、合間に蒔き割をしていました。住居として使っていない為、長期滞在には不自由なこともあり、ほぼ二週間置きに帰宅してました。

一方私は、初めの頃は物珍しさで家の中や森を探索はしていましたが、時々過ごすにはいい所としか思っていませんでした。集合住宅というコンクリートの中で暮らしていた数年間、土が恋しくなって空き地に畑を作り、自分から進んで田舎へ行くと言っていました。ただし何年たっても外のトイレには慣れることができず、一週間もいられません。今は郊外の戸建て住宅に住み、自宅で庭仕事ができるので、夫程足げに通うほどではありません。

日本でも都会を離れて田舎暮らしをされる方が年々増えていると聞きました。私の知る日本の田舎は合宿やキャンプ経験程度なので、日本的な田舎生活の実態は分かりません。日本からフィンランドに移住して生活環境はとても変わりましたが、場所が違うだけで生活自体は日本と変わらない気がします。でも田舎での生活は、日本ともフィンランドの街の生活とも違い単調さの中に変化があります。休日を過ごす田舎生活で感じたこと、思い浮かんだこと、体験したことなどを少しずつ書いていきます。

「別荘」や「コテージ」という言葉の持つイメージが私たちのモッキには合わないので、基本的に「モッキ」という言葉を使います。

更新日:2021-02-21 21:55:54

フィンランド、休日田舎暮らし