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小説

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逆光悪魔

ヤミネイと名乗る少女はニコニコして僕を見ている。
…悪魔って本当に?

「おやおや、これまた根暗そうな人ですね〜、悪魔にピッタリです!」
大きなお世話だよ…何か失礼な奴だな。
「で、あなたはどんな魔術属性なんですか?魔導書の種類は?」
「はあ?…そんなの知らないよ」

僕がやや投げやりに答えると、悪魔を名乗る少女は瞳を丸くして驚いた。
「無い?それでも魔法円は生成したでしょう?でなきゃ呼び出せるはずが…」
魔法円?知るかそんなの。…って、あれ?
もしかして、さっきノートに書いた円…

「こ、これ?」
僕はノートに書いた円を少女に見せる。
人間を閉じ込めてグリグリに塗り潰して虐殺を下した粗雑な円。
少女はノートに目を落とす。
胸の谷間が間近に見えて僕はドキッとしてしまう。

悪魔を名乗る少女はさらに驚いた様子を見せた。
「え…?あ、あ〜!え?これ?あの〜、本当にこれですか?」
「いや…知らないよ」
「ええ〜!?ボクこんなちゃっちい『円周率を求めよ』みたいな魔法円で呼び出されちゃったんです!?う〜、ショックです!」

ヤミネイは頭を抱えてピョンピョンと飛び跳ねている。
大胆なショートパンツから覗く白い太ももがまぶしい。
ショックを表現しているみたいだけど…テンションの高い奴だなぁ…。

本当に悪魔なんだろうか?かなりアホっぽいんだけど。
ただの頭のおかしい女の子なんじゃないだろうか?
でも、そうでなければ周りの生徒の動きが止まっている理由が説明つかない。

「で、も、ね、こうして呼び出したのも何かのご縁!ボクと契約してみませんか?」
「…してみません」
「ボクと契約できるなんて、とても幸運ですね〜!」
「だからしないって…話聞けよ」

「え〜、でも契約して頂ければ、このつまらない世界がすごく楽しくなりますよ!?そう、ファウストっていう小説は読んだことありませんか?ってある訳ないですよね、難しい本ですから」
「いちいち失礼だね、キミ」
一応タイトルだけは知ってる…確かに読んだ事は無いけどさ。
「まあまあ、ボク悪魔ですから。要は契約を結ぶとボクを使役できるようになるのです…と言ってもボクにはそれほどの能力はありませんが、魔力に応じた悪魔しか呼び出せないので、そこは仕方ないですね」

「使役って、キミがずっと一緒にいて僕の命令を何でも聞いてくれるって事?」
「う〜んとですねえ、基本的にはそうなんですけど、何でもではなくて、無理なものは無理ですんで…あと他の勧誘にも行かなくちゃなんで、四六時中というのは難しいですね〜」
ヤミネイは両手を広げてやれやれというポーズをする。
…何か、生命保険の営業の人みたいだな。

「ま、どうしてもっていう時には3回まで強制的にボクに命令をする事ができますよ」
「なんか聞いた事のある設定だな…どこのFateだよ」
「なら、あえてマスターとお呼びしましょう!マスタ〜」
「しかも知ってるんかい!」
…本当にこいつ悪魔か?

「それはさておき、こんな可愛い女悪魔を自由に使役できるなんて、童貞キモオタのマスターには垂涎ものではありませんか?」
「仮にもマスターに対して言葉が過ぎる!」
「う〜ん、残念ですね〜、契約したらエッチなサービスだってできちゃうのに…」
「え…いや、そうなの?」
「あ〜!契約する気になりましたね〜!?この〜!エッチエッチ!」
「やめろって、しないから」
「マスターにスマター…なんちゃって」
「キミ、絶対、僕より馬鹿だよね!?」











更新日:2021-04-12 01:46:01