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小説

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未収録分 踏ませる地雷 黄昏のオード

 俺の名前は地雷だ。特に意味はない。其れよりも俺は誰かの迷惑を掛ける事では一流なんだぜ。だから此処O府H市のゲームショップにて或る物を買えと念じてやったぜ。そう、中古で売っているあのシンフォニックRPGだ!

「さっきから五月蠅いのが居るような? 其れよりも最近はソシャゲーのせいで時間の無駄遣いをしている気がする。駄目だ駄目だ。ソシャゲーは此れを機に辞めだ辞め。俺はソシャゲーを卒業してコンシューマに復帰する。何が此れからの時代はソシャゲーだよ。ありゃあ穀潰し且つ悪質にも程が在るゲームシステム……否、あれはゲームじゃない。ゲームの名を借りた吸血行為だ。だから俺はソシャゲーをぶっ潰す。其の為に此のゲームに手を出す。済みません、店員さん!」

 確かにお前の言う事は正しい。ソシャゲーなんぞゲームを装った穀潰しジャンルだ。ログインボーナスでユーザーを誘い、絶妙に当たらない確率計算で課金を誘い、更には日を改めないと前に進めない設定のせいで徐々にやる気は削がれる。俺は此れこそユーザーを家畜化させるゲーム企業の怠慢と陰謀だ。ソシャゲーなんて滅べば良い。そう思う俺だった。だからこそお前には悪いけど……此のゲームで釣らせた。フフフ、ソシャゲーで弱った所を狙って良かったぜ!

「あ、あいつ……からすまさんの動画見てないのか?」「多分、ネット繋げてないんだぜ」「厭々どっち道、あれを購入してしまう能天気さには驚きしかないぜ」「でも何で迷わずに隣のタクティクスオーガじゃなくあれを選んだんだ? 普通はタクティクスオーガを選ぶだろうに!」「きっとどれも同じだという素人ゲーマーだったんだ」「え? でもソシャゲーで語っていたからな。コンシューマに復帰するって」「あ、そう言えばそうだったな。じゃあ何で選りにも依ってあれを選んだんだ?」其れが此の俺の巧妙な罠なのさ。俺はああして他人に迷惑を掛けて或る目的の達成をするからさ。

「ってかさあ、真下に何か動いてない?」「はあ? 唯の全自動掃除機だろ?」「でも掃除機にしては何か物騒なデザインだったような?」「気のせいだって、さあさあ何か買っていこうぜ。但し、里見の謎とかセントエルモスの奇跡は論外だからな」危ない危ない、俺が見付かる所だった。

 さて、自宅に帰った男は早速自分の部屋で例のゲームを……「在った在った、初期型のプレステがなかったら如何しようかと思ったぜ」起動する為のハードを探して見付ける。其れからプレイ開始。

「……ウワアアあああ!」地雷が爆発した--部屋を吹っ飛ばす程の威力で最初の難関が発動したな。

「ゲホゲホ、たっくん……大丈夫?」

「あ、ああ。少し、オープニングムービーで恐ろしい物を見ただけだよ……」パッケージとはまるで違う主人公の素顔に俺の巧妙な地雷が炸裂したか。

 更に日に五時間、四時間、二時間……「何回エンカウントすれば良いんだ。つーかかなりつまらんぞ。そして微妙なボーカルと緊張感のない戦闘BGM……駄目だ、止めたく成って来た!」そして、漸くゲームクリア--地雷が爆発した……部屋中に虚無が立ち込める程の空気を漂わせてな!

「た、たっくんが……キャアアア!」

「だぁいじょぉぶだぁ、よお。おぉれぇはぁへぇいぃぃき……」ゲームに存在するルーンソングシステムのような喋り方に成るというおまけ付きだがな。

 にしても此奴は違うな。俺の探している奴はもっとセンスがない筈だ。今日も不作か。にしたって黄昏のオードか。あれはマジでつまらん。然もストーリーが正に悪の手先を表しているじゃないか。成程、プレイする奴は悪の手先という意味はそうゆう事だったのだな。

 さて、次を探そう。次こそ俺の狙った獲物は見付かる筈。其の為に俺はテロリストとして数多の者達を地雷に踏ませてやったんだ。殺さないだけでも有難いと思えよ!

 今回はおまけ用の紹介話だけだ。次回は本編を開始する。今度のネタは理不尽にも吹き飛ばす程のインパクトを有するからな!

更新日:2021-02-20 22:20:37

初心に返って客寄せに作る掌編 その六