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小説

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~幻の画家の手記より抜粋~

ボロボロの小さな本を手に取って旅に出た「アナタ」は寂れた民家で誰かに呼び止められる
それは物語に出てくる貴婦人のような・・

不思議がる「アナタ」・・だがその貴婦人の愛らしい笑み、上品で優雅な品格に気付けば心を奪われていた

「素敵な旅人さん、いつだって冒険はわくわく心を躍らせ、豊かにしてくれる。アナタは人生の中でどんな役を演じているのかしら?」
「あら?その本は・・そう、そうなのね・・ふふ
どうか、良い旅になる事を願っていますわ・・素敵な紳士さん。いえ、素敵なお嬢様かしら・・それでは・・ご機嫌よう」
「アナタは?」そう言おうとした間に貴婦人は音も無く消え、後には古く汚れた紙切れを「アナタが」見つけたのだった

幾千の血が流れた・・哀しく愚かな時代
無益な人の魂が、千の罪を紡ぎ合う世界

血が落ちた・・哀しく愛おしい者の血が・・
ただひたすら、無益な祈りに捧げられ・・命の色がくすんでいく
そこに今、全てを偽る瞳の色をした少年がいる
あぁ、なんという激動の時代か 虚飾に魅入られた 罪に彩られ、十字架ばかりを背負わされた少年よ
せめてもの証として、我はここに誓い、記そう 戦火の亡骸を、くすむ事の無かった気高き魂を、 紡ぐことを奪われた魂の慟哭を
勝者が歴史を作るなら、私は零れた夢を、この血筆で拾い描こう 

どうか名も無き観客よ 我に全てを綴る力を与えたまえ (ボロボロでその他の文字は滲んでいて読めない)

「アナタ」は急に頭痛と目眩を起こす・・立っていられない程に・・そして・・アナタは物語を垣間見る事になるのであった

目眩に襲われ、倒れた「アナタ」は、メモが炎に包まれると同時に消えた
残されたのは、旅に出るきっかけとなった、古めかしい本だけ

誰も居なくなった、いや、地図にさえ無かったその古民家に残ったのは題名が記されていなかった古本だけなのだが
見るとその本の題名に、鮮やかな漆黒の炎が綴りを残した

「偽救世主の断罪者」 

ep 0 [アナタが巡る記憶の旅」

更新日:2021-02-13 02:36:04

偽救世主の断罪者~イミテーション・メサイア