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「トリリロール族」の少女

「トリリロール族」は、

「夢の世界」にすむ妖精の一族である。

一族の者がある年齢に達すると、

「夢を運ぶ人間」を自ら選び、

その人間について、世界中を旅してまわる。

「トリリロール族」の令嬢エレノワールは、

フワフワした、本当にかわいい女の子だった。

エレノワールの頭のなかといったら、

鏡のなかの、かわいらしい自分の姿や、

自分の可憐さや愛らしさのことで

いっぱいだった。

が、「トリリロール族」の少女というと

エレノワールに限らず、おおむねそんなものなのである。

さて、エレノワールが成人の日に

選んだ人間はというと、

実は人間ではなく、「魔女」であった。

名を「ソワンボワーズ」という。

しかしながら「エレノワール」は、

魔女をひとめ見るなりついていくことをたちどころに決めた。

「夢を運ぶ人間」の選び方はというと、

常に、気まぐれでいい加減なもので、

「直観」に基づく行為にすぎなかったが、

これも、「トリリロール族」の少女の常であった。

そこで、エレノワールは魔女を選び、

自らの選択に迷いをみせることもなく、魔女についていくことにした。

エレノワールは、いつも魔女の肩先にフワリと座して、

自らのかわいらしさやら、美貌の夢ばかりを見ていた。

魔女は、エレノワールの存在を忘れたかのごとく、

スタスタ歩いたり、箒に乗ったりしていた。

更新日:2021-02-12 19:07:32