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16 ずっと一緒

「かとぶさんが闇の戦士だったんだね」
 城の外へ向かう中でそう聞くと、かとぶさんは何も言わずに頷いた。
「ラケティカ大森林で大罪喰いを倒して、しばらくした後に、イル・メグで別の大罪喰いが大きく活動を始めたという話は聞いていたんだけどな、色々と手間取っているうちに到着が遅れたのさ」
 サンクレッドが代わりに説明してくれた。
「みゅう晶公が討伐部隊を派遣したとは聞いていたが、まさか、お前たちがいるとは思ってなかった」
「サンクレッド、わたしとぷぅこのことを甘く見すぎだよ~。二人が力を合わせたら、この世界を救うことだって出来るんだから! ね、ぷぅこ?」
「もちろん」
 ぷぅこは笑顔で答えてくれた。
「全く、大したやつらだよ……そして」
 サンクレッドが城の外へ行く門のほうを見た。
「この空は紛れもない、お前たちの力で手にしたものだよ」
 わたしたちが外に出て見たのは……。
 空を覆っていた光が完全に消えて、姿を現した暗き海と宝石のような輝きを見せる無数の星々。本の世界でしか見たことのない『夜』だった。
「綺麗……」
「すごい、宝石みたい……」
 わたしもぷぅこも言葉が全然出てこなかった。目の前の綺麗な光景にただただ感動していた。ノブさんや他のみんなも同じだった。
「ぐすん……ぐすん……ぷこさん来てくれて良かった……夜が戻って本当に良かったよ~!」
 ちーちゃんだけ泣いているように見えたけど。
「ぷぅこ、これが……星空だよね」
「うん……間違いなく、星空だよ」
 手を伸ばして、ぷぅこの手を握る。ぷぅこもわたしの手をしっかりと握り返してくれた。
「約束……ちゃんと出来たね」
「うん」
 目に涙が溢れてくる。ずっとこの日を夢見てきた。くじけることも、喧嘩したり、泣いたり、怒ったりすることもあったけれど、それと同じくらい嬉しいことも楽しいこともあった。これからもきっと数えきれないほどの困難がわたしたちを待ち受けているだろう。
 だけど……。
「わたし、何が待っていても、みんなと……ぷぅこと一緒なら何だって出来る気がするよ」
「当たり前じゃない。だって私たち……」
 ぷぅこはわたしのほうを見て笑った。
 
 
「これからもずっと一番の友達なんだから」
 
 終
 

更新日:2021-02-03 20:17:19

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