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13 いざ、決戦へ

 数日後。
 
「はぁ! はぁ!」
 身支度を済ませたわたしは自分の部屋を出て、ペンダント居住館の階段を駆け下りた。朝早くにモグレタ―で来たメール。ノブさんがチームのメンバー全員に送ったものだった。
『イル・メグの大罪喰いの詳細が判明。光の活性化を確認。ただちに討伐に向かう』
 とうとうこの日が来てしまった。わたしにも送られてきたということは、ノブさんたちがわたしを必要としてくれている証拠だった。きっとぷぅこも……。
「……」
 まだ、謝りに行けてないな……。ぷぅこもきっと来るよね。
 そう信じて、わたしは階段を降りて行った。
 居住館を出ると、既にノブさんたちが集合していた。
「あやかさん!」
 真っ先にちーちゃんがわたしに気づいて駆け寄ってきた。
「ちーちゃん」
 そのままの勢いでちーちゃんがわたしに抱き着いてくる。
「良かった、良かった……私、私、とっても、とっても心配したんですよおおおお!」
 やがて大声で泣き始めた。
「ごめん、ごめん、心配かけたね」
「全く、本当にそうよ」
 槍を背負ったびなこさんが半分呆れた表情で歩いてきた。
「みんな、心配させたんだから、今日はしっかり頑張ってよ」
「すいません、ご迷惑をおかけして」
 謝ると、びなこさんは安心したように笑ってわたしの頭を撫でてくれた。
「あ~~~や~~~~か~~~~!」
 続いて小走りで近づいてくる音が聞こえたかと思うと、ナモさんがわたしの目の前まで来た。
「私のことを放っておいた罪……とても重いぞぉ~」
「ご、ごめんなさい、ナモさん!」
「……元気そうで良かった」
 ナモさんもびなこさんに続いてわたしの頭をヨシヨシしてくれた。
「全く、あなたは人をどれだけ心配させたら気が済むんでしょうね」
 その後ろからPD先生が歩いてきた。
「先生……」
「訓練がだいぶ空いてしまいました。これであなたが大罪喰いに倒されたら、私の力不足です。けれど、あやか、あなたならきっと出来ると信じていますよ」
「……」
 先生はわたしのことを全く責めなかった。わたしは何も言えずに頭を下げた。厳しい訓練だったけど、わたしとぷぅこに白魔導士としての極意を叩き込んでくれたのは先生だった。先生がいなければ、きっと今のわたしはいなかった。
「しかし、残念ですが……」
 先生は少し悲しそうな表情で別の方向を見た。その先に視線を向けて、全てを察した。
「……ぷぅこ」
 それはぷぅこの部屋だった。カーテンが閉じられていて、中の様子は確認出来ない。ノブさんたちも深刻そうな表情をしている。
 ぷぅこはこの場所に来ていないんだ……。

更新日:2021-02-03 20:04:22

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