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少女の亡骸
夕暮れに沈んだ空、アスファルトの上に制服を着た小柄な少女が横たわっていた。動く気配はなく肩まで伸びている髪が乱れて顔にかかっていた。
少女の傍らには私物だろうか、教科書や筆箱が散乱していた。
「だ、だいじょうぶですか!?」
私は慌てて少女に近づいて跪いた。安否を確かめようと肩に触れようとしたが私の手は少女に触れることが出来ずに空を掴んだ。
(あれ…なんで…?)
まるで幽霊になったかのように私の手は少女の体を触れることができなかった。せめて、彼女の顔を伺って息をしているか確認しようとした。
だが、顔は蒼白で目は開き、口から息遣いは聞こえなかった。
更に少女の小さな頭から血が流れるように広がりはじめたのを見て、呆然した。
(死んでるの…これ)
私は絶望して少女の遺体から離れるように遠のいた。
視界が涙で滲んだかのようにぼやけていく。
(どうして…)
彼女に問いかけようとしたが、世界が暗闇に包まれてすべてが消えてゆく。そのまま闇に身を任せるように私は意識を手放した。
これが私のこの世界の最後の記憶だった。
少女の傍らには私物だろうか、教科書や筆箱が散乱していた。
「だ、だいじょうぶですか!?」
私は慌てて少女に近づいて跪いた。安否を確かめようと肩に触れようとしたが私の手は少女に触れることが出来ずに空を掴んだ。
(あれ…なんで…?)
まるで幽霊になったかのように私の手は少女の体を触れることができなかった。せめて、彼女の顔を伺って息をしているか確認しようとした。
だが、顔は蒼白で目は開き、口から息遣いは聞こえなかった。
更に少女の小さな頭から血が流れるように広がりはじめたのを見て、呆然した。
(死んでるの…これ)
私は絶望して少女の遺体から離れるように遠のいた。
視界が涙で滲んだかのようにぼやけていく。
(どうして…)
彼女に問いかけようとしたが、世界が暗闇に包まれてすべてが消えてゆく。そのまま闇に身を任せるように私は意識を手放した。
これが私のこの世界の最後の記憶だった。
更新日:2020-11-12 21:02:48