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ピュアの章 現世と黄泉の境界
昔々、或る所に二人の類稀なる高いマナを有した双子が居りました。一人は常に元気で明るく活発で意地悪な性格をしており、もう一人は常に穏やかで大人しくやや引っ込み思案な性格をしておりました。
「駄目だよお、うえええん!」
「や―いやーい、馬鹿ピュア。私の筆に手を触れるからいけないんだよお!」
「コラ、シーラ。意地悪しちゃ駄目だって言っているでしょう!」
「全くシーラは何時に成ったらピュアに優しく出来るのやら」
前者が私の御姉ちゃんで後者が私なのです。私は普段から御姉ちゃんに逆らう事が出来ません。しかし、御姉ちゃんを一度だって憎んだ事が在りません。何故なら御姉ちゃんが意地悪する以外では何時も一緒に遊んでいますから。
「兎美味しい叶山ー」
「小鮒釣師彼の川ー、夢は今も眠りてー」
「二人共、歌詞を間違えてますわ!」
「ええええ、お母さん。そうなのー」
「ハッハッハ、ピュアもシーラもお母さんと同じくドジっ子のようだね」
「お父さんもちゃんと注意しなさい」
「でも歌詞の追いしを美味しいと訳すのは間違いじゃない。其れも含めて言葉は成り立つのだからね」
「フフーンだ、私って天才でしょ!」
「凄い凄い、御姉ちゃん!」
「だが、シーラ……意図して其れを口遊むなら直した方が良いぞ!」
「ウウウ、一言多いんだからあ!」
「御姉ちゃんも人の事は……」「五月蠅い、ピュアは黙っててよ!」私には厳しい御姉ちゃんなのです。
「酷いよお、御姉ちゃあん!」
「コラ、シーラ。ピュアを虐めないの!」
「ハハハ、喧嘩するほど仲が良いとは言った物だ……」「違いますわ、貴方。全くそうゆうずれた所が二人に受け継がれるのですよ!」因みに私達が何時も話がずれるのは御父さんの性格に依る物なのです。
御姉ちゃんが大好きなのは其れだけじゃ在りません。こんな話が在ります。私達が五歳の時の出来事なのです。季節は秋でしたね。
「返してよお。私の紅葉をおお!」
「へへーんだ、シナップスの奴に意地悪するのが俺達の役目なんだよ!」
「泣き虫ピュア、ドジっ子ピュア!」
「フエエエエン、フエエエエン!」
こんな性格なので何時も私は村で元気な男の子達に意地悪されます。其の度に私は泣くしかないのです。そんな時に何時でも御姉ちゃんは……「コラ、ピュアを泣かすなあ!」ヘッドバットして私の所に助けてくれます--但し、木の幹にぶつけて痛がる時も在ります。
「イデデ……避けないでよ、折角のスサノヲヘッドバットが空振りしたじゃないの!」
「馬鹿じゃねえの、スサノヲはヘッドバットしねえよ!」
「というかシーラかよ、相手するの面倒だし逃げようぜ!」
「ああ、命拾いしたな。次も遊んでやるよ、ピュア!」
御姉ちゃんも私と同じく喧嘩に弱く、何時もやられっ放しです。ですが、私の為に食い下がる為に虐めっ子達は相手にするのも疲れるのですか退散してゆくのです。
「べーだ、べ―!」
「有難う、御姉ちゃん!」
「フン、ピュアの為じゃないからね。未来の『聖なる巫女』たる此の私だからこそなのよ!」
「うん、御姉ちゃんが成ると良いね!」
「成るに決まって……ウウウっ!」
「お、御姉ちゃん!」
「大丈夫だから。あ、頭を打ったせいなんだからあ」
「で、でも顔が青々だよお!」
「五月蠅い、頭を打ったら顔が青く成るんだからあ!」
「お、御姉ちゃん……」けれども、御姉ちゃんは生まれた時から不治の病に冒されています--其のせいで『聖なる巫女』は……
「駄目だよお、うえええん!」
「や―いやーい、馬鹿ピュア。私の筆に手を触れるからいけないんだよお!」
「コラ、シーラ。意地悪しちゃ駄目だって言っているでしょう!」
「全くシーラは何時に成ったらピュアに優しく出来るのやら」
前者が私の御姉ちゃんで後者が私なのです。私は普段から御姉ちゃんに逆らう事が出来ません。しかし、御姉ちゃんを一度だって憎んだ事が在りません。何故なら御姉ちゃんが意地悪する以外では何時も一緒に遊んでいますから。
「兎美味しい叶山ー」
「小鮒釣師彼の川ー、夢は今も眠りてー」
「二人共、歌詞を間違えてますわ!」
「ええええ、お母さん。そうなのー」
「ハッハッハ、ピュアもシーラもお母さんと同じくドジっ子のようだね」
「お父さんもちゃんと注意しなさい」
「でも歌詞の追いしを美味しいと訳すのは間違いじゃない。其れも含めて言葉は成り立つのだからね」
「フフーンだ、私って天才でしょ!」
「凄い凄い、御姉ちゃん!」
「だが、シーラ……意図して其れを口遊むなら直した方が良いぞ!」
「ウウウ、一言多いんだからあ!」
「御姉ちゃんも人の事は……」「五月蠅い、ピュアは黙っててよ!」私には厳しい御姉ちゃんなのです。
「酷いよお、御姉ちゃあん!」
「コラ、シーラ。ピュアを虐めないの!」
「ハハハ、喧嘩するほど仲が良いとは言った物だ……」「違いますわ、貴方。全くそうゆうずれた所が二人に受け継がれるのですよ!」因みに私達が何時も話がずれるのは御父さんの性格に依る物なのです。
御姉ちゃんが大好きなのは其れだけじゃ在りません。こんな話が在ります。私達が五歳の時の出来事なのです。季節は秋でしたね。
「返してよお。私の紅葉をおお!」
「へへーんだ、シナップスの奴に意地悪するのが俺達の役目なんだよ!」
「泣き虫ピュア、ドジっ子ピュア!」
「フエエエエン、フエエエエン!」
こんな性格なので何時も私は村で元気な男の子達に意地悪されます。其の度に私は泣くしかないのです。そんな時に何時でも御姉ちゃんは……「コラ、ピュアを泣かすなあ!」ヘッドバットして私の所に助けてくれます--但し、木の幹にぶつけて痛がる時も在ります。
「イデデ……避けないでよ、折角のスサノヲヘッドバットが空振りしたじゃないの!」
「馬鹿じゃねえの、スサノヲはヘッドバットしねえよ!」
「というかシーラかよ、相手するの面倒だし逃げようぜ!」
「ああ、命拾いしたな。次も遊んでやるよ、ピュア!」
御姉ちゃんも私と同じく喧嘩に弱く、何時もやられっ放しです。ですが、私の為に食い下がる為に虐めっ子達は相手にするのも疲れるのですか退散してゆくのです。
「べーだ、べ―!」
「有難う、御姉ちゃん!」
「フン、ピュアの為じゃないからね。未来の『聖なる巫女』たる此の私だからこそなのよ!」
「うん、御姉ちゃんが成ると良いね!」
「成るに決まって……ウウウっ!」
「お、御姉ちゃん!」
「大丈夫だから。あ、頭を打ったせいなんだからあ」
「で、でも顔が青々だよお!」
「五月蠅い、頭を打ったら顔が青く成るんだからあ!」
「お、御姉ちゃん……」けれども、御姉ちゃんは生まれた時から不治の病に冒されています--其のせいで『聖なる巫女』は……
更新日:2020-12-24 06:49:53