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一話


ここは2099年。車が空を飛んでいる世界。★1
俺の名はユウヒ。性格はひねくれて
いて被害妄想あり。★2なんで俺、自己紹介して
るんだろう。あ。いけない。学校に行かないと。
「気を付けていってくださいね」
とジョンが俺に栄養たっぷりの野菜ジュース★3
を手渡してきた。「お。ありがとう」
俺の通う学校は歩いて15分くらいのところにある。
俺は歩きながら野菜ジュースを飲む。
今日の天気は雨。俺は透明傘を頭上に差した。★4
傘は手で持たなくても大丈夫なように無線で繋い
である。ここらはいろんな回線が飛びかっていて、
とっても便利だ。ん?
向こうのほうから何かが走ってくる。なんだ?
雨なのに透明傘を差していない。ずぶぬれだ。
俺はまじまじとその人物を見た。ここら辺では
見かけない。髪が長く。目は丸く。か、カワイイ。
宇宙人かな?俺が生きてきて見たことのない
人種?だ。「助けて。私追われてるの。」
と言って周りをキョロキョロしている。
「君、なんで髪が長いの?もしかして女じゃない
よね?」と俺は冗談きついぜっと笑った。★5
そして、すぐに通報した。この世界に女は必要ない。
いや、女がいてはいけない世界。過去の歴史で、
ならった。女は子供を産みたがる。育てられもし
ないのに。そして子供は虐待される。その子供ら
の未来に待っているのは反社会性を持ったやつと、
精神崩壊し病気になったやつの二択だ。俺は何も
差別しているわけじゃない。歴史でならったこと
を言っているまで。昔は男女差別があってはなら
ない世界だったみたいだが、ここの世界では違う。
そう。ここに女は居ない。男しかいない世界だ。
「ごめんな」★6俺は今しがた通報を受けて来た警察
に女を引き渡した。俺が悪いんじゃない。世界を
怨め。★7

★1(昔は道路を走っていたなんて本当なの?)
★2(被害妄想と言っても病気になるほどではない。誤解されたくないから言っておく。)
★3(今、はやりの野菜ジュースだ。とっても栄養がたっぷりで色は青色。
でも、腐ってはいないから安心してくれ。)
★4(透明傘はとっても便利でみんな使っている。これを発明した人は、
凄いと思うよ?)
★5(いや、本当に危険だから。この世界に女はいらない。もし、見かけたら通報するのが当たり前のこと。
間違っても優しくしてはならない。いくら美人でも。)
★6(謝ることはないのに、俺としたことが…。)
★7(俺の知ったことじゃない。)

更新日:2020-10-10 22:13:03

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