官能小説

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友情の証

「カラスの神様にお礼が言いたい。」
 僕が言うと
「まず、カラスに一人だけの名前付けてくれよ。」
 僕は、今更ながら、このカラスに名前がないことに気が付いた。
「タロウにしようか?」
 あまりにも適当だとも思ったが、そんな名前の人間は周りにいないから、とても目立つし覚えやすいと僕は思いもした。カラスは
「カラスはタロウな。お前はさとし。」
「自分のことを人間は俺とか私とか言うんだよ。」
「分かった。俺の見たところ、あの外来種の女はお前のことが好きみたいだぞ。帰ったら毎日、自分で精子を出してる。やめられないようだ。面白いな。」
「それより、神様にお礼がしたい。」
「ありがとうと言えばいい。」
「そんなんじゃなくてさ」
「言ってないだろう?」
「ありがとうございます。」
「もう、いいのか?」
「何が?」
「元に戻しても。」
「戻らなくてもいいんだけど。」
「神様は力を使っていらっしゃる。」
「じゃあ、戻してください。いつまでもお世話になっていられないよ。」
「そこは気にしなくていいそうだぞ。」
「気にするよ。タロウの神様なら僕の神様でもある。僕は、人間よりカラスを信頼するもん。」
「ははは! お前らも面白いけど、俺たち二人も面白いな。人間同士の外来種なんかより、種類が違うんだからな。」
「そうだよ。ねえ、タロウ、うちで一緒に暮らさない?」
「さとし次第だ。」
「うん。決めた。今日、泊まってみてよ。」
「ああ。いろいろ話そうか。」
 その晩、僕はタロウと夜遅くまで話し込んだ。普段からカラスを見慣れていた両親は、何一つ咎め立てしなかった。

更新日:2020-10-09 08:11:32

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