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火の妖精

 フランスの王政が栄えていたころです。とても貧乏な少女がいました。小さいころに親が亡くなり、独り身の哀れな子になってしまいました。毎日重い税金を取られ、食べるものすら無く、毎日物乞いをする人生でした。
 冬こそ一番最悪な時でした。寒いし、お腹はすくし。
 そんななか、マッチの商売に会います。少女は一生懸命働きました。しかし、身寄りがないので、職場ではいじめられ放題。お給料でさえ8割盗られていました。少女は耐えられなくなりました。冷たい地面をひたすら走り、森の中に到着しました。少女はマッチを持っていたので、火を起こし、枝を集めて火をともしました。まだ寒いのですが、少女は満足です。いつもの生活より、一人の方がいいと考えたからです。
 その日、少女は夢を見ました。暖炉の中で、誰かが読んでいます。炉の中は燃え、暖かい雰囲気です。少女はヴィオレッタと名付け、お話をしました。ヴィオレッタは悩みの紐をほどいてくれて、いつも少女の味方をしてくれました。そのヴィオレッタは火の妖精、アルマンジョだったのです。少女は、妖精に連れられて生涯を閉じました。
 少女は、もう悩むことはないのです。短い生涯が幕を閉じたのですから。

更新日:2020-08-24 23:11:31

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