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第2話 新たな出会い
「うっ…」
その謎のモビルスーツのコックピットから転がり出てきた
のは…長い黒髪のスーツ姿の女だった。
そのなりは、パイロットとしては実に不釣り合いの恰好だ。
全身のどこかを打ち付けたのか、彼女の顔は苦痛に歪んでいる。
「お…おいっ、大丈夫か…!?」
すかさずミシェルが彼女に駆け寄る。
「こらっ、何やってる!?ええい、お前らッ、ミシェルを
捕まえろ!!」
慌ててライスが背後のグレイズたちに命令する。
すると…そのうちの一体が足を踏み出した。
「しっかりしろ!!」
それにかまわずミシェルが女性を抱き上げる。
すると彼女がわずかに顔を上げた。
…意外に顔立ちのいい…いや、一見すればどこか
ミステリアスな印象を受けるが…男なら一発で魅了されそうな
タイプだ。
「あ…あなた…ミシェル…ベリック…?」
…なんで俺の名を知っている??
ミシェルがその女を凝視する。
「私の名前は…ケイトス・ボウフマン」
ボウフマン??
…ってことは…。
いまおかれている状況など構わず、ミシェルはただ動揺し、
驚くばかりだった。
なぜなら…。
その名を持つ人物といえば…間違いなく、
あのジェスタ・ボウフマンに違いないからだ。
「あんた…ジェスタ大佐の身内か?」
「そんなことより…!」
二人にグレイズの腕が伸びる!
ミシェルは渾身の力でケイトスを抱きかかえ、なんとか
その場から逃れようとした。
ズシンンッ!!
「きゃっ!!」
地面を叩きつけたグレイズの拳を、間一髪、二人は回避した。
その場に噴煙が上がり、しばし視界を遮られた。
また、彼女が乗っていたと思われるモビルスーツから、
かなり離れてしまった。
「…っ!?」
そのおかげで彼はその相貌を確認することができた。
そこにあるモビルスーツ。
…確か、一度だけだがみたことがある。
いや…姿は違うが、その作りは確かな覚えがあった。
その昔にこの火星を脅かした機械生命体…それを駆逐するために
いくつもの王家がこぞって繰り出した、「ガンダム」という名を
冠する機体。
その全身はほぼ白だが、各所に蒼い装甲がある。
また、全身はほぼそのフレームが剥き出しになった状態だが…
それがまたあたりまえのようなフォルムだ。
「なぁ…コイツ、俺に動かせるか?」
なんとも間抜けな質問だった。
その問いにケイトスは、思わずその開いた口をパクパク
させた。
「あなた…凄腕のパイロットなんでしょ?だったら…」
凄腕のパイロット。
その言葉がミシェルの背中を激しく押す。
これまで乗ってきた軍のグレイズ、そして、ギルドから
借り出したマンロディ…ならばこの機体だって…。
「殺れえぇーッ!!」
ライスが叫ぶのとミシェルが駆け出すのと同時に、そばに
マシンガンの火線が走る。
…だが、ミシェルはそれに構わず、そのモビルスーツの
コックピットに器用に取り付いた。
内部は素材の新しい匂いが取れていないのが判る。
…だとすれば、この機体は製造されてまだ間もないと
いうことだ。
「こいつ、どうやって…」
ミシェルはほぼ直感でメインパネルを操作する。
フォウゥッ…
すると…そこに奇妙な形をした紋様らしきものが浮かび
上がるように表示され、そこにさらにアルファベットの羅列が
表示された。
『DANTALION』
「『ダンタリオン』…?」
同時にコックピットブロックの背後にあるリアクターが静かに
起動し始める。
「そうか。この機体、やはりあの…」
ミシェルの腕が自然に起動シーケンスを行い、その
モビルスーツの二つの目がこのうえないレモンイエローの
輝きを放つ!
「ええいっ、おいコラ!!俺と操縦を変われッ!!」
苛立ったライスが激昂すると、すぐに傍のグレイズが
膝立ちの姿勢をとった。
一方、もう一機のグレイズは装備していたマシンガンを構え
乱射…したはずだった。
「うっ…」
その謎のモビルスーツのコックピットから転がり出てきた
のは…長い黒髪のスーツ姿の女だった。
そのなりは、パイロットとしては実に不釣り合いの恰好だ。
全身のどこかを打ち付けたのか、彼女の顔は苦痛に歪んでいる。
「お…おいっ、大丈夫か…!?」
すかさずミシェルが彼女に駆け寄る。
「こらっ、何やってる!?ええい、お前らッ、ミシェルを
捕まえろ!!」
慌ててライスが背後のグレイズたちに命令する。
すると…そのうちの一体が足を踏み出した。
「しっかりしろ!!」
それにかまわずミシェルが女性を抱き上げる。
すると彼女がわずかに顔を上げた。
…意外に顔立ちのいい…いや、一見すればどこか
ミステリアスな印象を受けるが…男なら一発で魅了されそうな
タイプだ。
「あ…あなた…ミシェル…ベリック…?」
…なんで俺の名を知っている??
ミシェルがその女を凝視する。
「私の名前は…ケイトス・ボウフマン」
ボウフマン??
…ってことは…。
いまおかれている状況など構わず、ミシェルはただ動揺し、
驚くばかりだった。
なぜなら…。
その名を持つ人物といえば…間違いなく、
あのジェスタ・ボウフマンに違いないからだ。
「あんた…ジェスタ大佐の身内か?」
「そんなことより…!」
二人にグレイズの腕が伸びる!
ミシェルは渾身の力でケイトスを抱きかかえ、なんとか
その場から逃れようとした。
ズシンンッ!!
「きゃっ!!」
地面を叩きつけたグレイズの拳を、間一髪、二人は回避した。
その場に噴煙が上がり、しばし視界を遮られた。
また、彼女が乗っていたと思われるモビルスーツから、
かなり離れてしまった。
「…っ!?」
そのおかげで彼はその相貌を確認することができた。
そこにあるモビルスーツ。
…確か、一度だけだがみたことがある。
いや…姿は違うが、その作りは確かな覚えがあった。
その昔にこの火星を脅かした機械生命体…それを駆逐するために
いくつもの王家がこぞって繰り出した、「ガンダム」という名を
冠する機体。
その全身はほぼ白だが、各所に蒼い装甲がある。
また、全身はほぼそのフレームが剥き出しになった状態だが…
それがまたあたりまえのようなフォルムだ。
「なぁ…コイツ、俺に動かせるか?」
なんとも間抜けな質問だった。
その問いにケイトスは、思わずその開いた口をパクパク
させた。
「あなた…凄腕のパイロットなんでしょ?だったら…」
凄腕のパイロット。
その言葉がミシェルの背中を激しく押す。
これまで乗ってきた軍のグレイズ、そして、ギルドから
借り出したマンロディ…ならばこの機体だって…。
「殺れえぇーッ!!」
ライスが叫ぶのとミシェルが駆け出すのと同時に、そばに
マシンガンの火線が走る。
…だが、ミシェルはそれに構わず、そのモビルスーツの
コックピットに器用に取り付いた。
内部は素材の新しい匂いが取れていないのが判る。
…だとすれば、この機体は製造されてまだ間もないと
いうことだ。
「こいつ、どうやって…」
ミシェルはほぼ直感でメインパネルを操作する。
フォウゥッ…
すると…そこに奇妙な形をした紋様らしきものが浮かび
上がるように表示され、そこにさらにアルファベットの羅列が
表示された。
『DANTALION』
「『ダンタリオン』…?」
同時にコックピットブロックの背後にあるリアクターが静かに
起動し始める。
「そうか。この機体、やはりあの…」
ミシェルの腕が自然に起動シーケンスを行い、その
モビルスーツの二つの目がこのうえないレモンイエローの
輝きを放つ!
「ええいっ、おいコラ!!俺と操縦を変われッ!!」
苛立ったライスが激昂すると、すぐに傍のグレイズが
膝立ちの姿勢をとった。
一方、もう一機のグレイズは装備していたマシンガンを構え
乱射…したはずだった。
更新日:2020-06-22 08:43:15