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奇人たちの晩餐会2

「何よ、何か用なの?」
忙しそうに準備をしていた藤崎ミコ氏であったが、事情を話すとブツクサ言うものの俺の案に承知してくれた。

「仕方ないわねえ、早く連れてらっしゃい!」
何か肝っ玉母さんみたいな感じで頼もしいな。
案外この人は懐の深い、面倒見のいい人なのかもしれない。
母さんって言っても…本当はおじさんなのだが。

俺は葵を連れに公園に戻った。
俺の案とは、例のUFO降霊会とやらに葵も参加させるというものだった。
準備や買い出し、接客などを手伝う事で会費(2000円)は免除してもらう。
別に俺が2000円を払っても構わないのだけど、お客さんとして参加させるのではなく、スタッフの一員として働く事で一体感を持てるようになるかもしれない。

少なくとも部屋や公園で1人悩んでいるよりは何倍もマシだろう。
正直な所、俺だけで慰めるのには限界がある。
どうしても話が危険な方向に流されてしまいそうな気がする。
詳しく話を聞いてみると、藤崎氏の顧客を中心とした親睦会のようなものらしく、参加者も10人を少し越えるぐらいだという。
若い女の子が手伝ってくれるのは藤崎氏にとっても都合が良いという事だった。

確かに、イベント事には若い女の子もいた方が場も華やぐってものだよな。
…全員がオカマという訳でもないだろうし。

訳もわからないままに俺に連れてこられた葵は瞳をパチクリとさせて、『何で私はこんな所に…??』という状態で立ち尽くしていたけれど、俺が「手伝ったら今日の夜は焼肉が食べ放題になる」と言うと「焼肉!」と瞳を輝かせて動き始めた。

「あんたね〜、クヨクヨ考えるのは、お腹一杯になってからするものよ!」
藤崎ミコ氏が葵の背中をバシンと叩く。
「だから、まずは働く!いい!?」
…無茶苦茶な理屈だ。
さすがだ…俺にはこんな励まし方はできない。

「は、はい!」
と葵は勢いに押されて反射的に返事をした。
恐らくは葵も意味はよくわかっていないと思う。
まあ、今はこの方が葵にとってもいいだろう。

葵は急いで制服から普段着に着替えて戻ってくると、すぐに働き始めた。
働き始めると考えるヒマも無い。普通に忙しかった。
ところで、話の流れで俺と葵も運営サイドに回ってしまったわけだけど、本当にUFOを呼ぶつもりなのだろうか…?
今さらながら心配になってきた。

藤崎氏に尋ねてみると、特にどうでもいいと思っていたらしい。
藤崎氏曰く「パーティーの名目は派手な方がいい、始まってしまえばそんなのはどうにでもなる」という素晴らしくいい加減な答えが返ってきた。
しかし、そういう事なら俺にも考えがある。
俺は藤崎氏に相談を持ちかけた。

UFOは当然ながら現れないだろう。
でも、怪人なら宇宙まで行かなくても近くにたくさんいるじゃないか。
本当、すぐ近くに…











更新日:2020-08-10 16:48:51