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「あの野郎!狂人めが!!」
あろうことか俺の名を語ってこんなものを女子中学生に贈りつけようとしやがって!!
な〜にが「プレゼントを渡すだけ」だ!
俺を自爆テロ要員にしようとしやがった!
アルカイダか、お前は!?
こんなものを贈ったら俺は、頼りになるお兄さんから一気にロリコン変質者に転落だ。

怒りが頂点に達した俺は紙袋ごとパンティをつかむと203号室のドアの前に行き、ドンドンと激しく叩いた。
ギイっと音がして寺山氏が顔をだした。
俺は紙袋を氏に投げつけるとキレ気味になって大声で叫んだ。

「何だこれは!?何なんだこれは!?アンタ頭がおかしいだろ!俺の名を使ってこんなもの…!」
その途端、寺山氏は「イヒヒヒヒ」と笑いだし、ヌタリといやらしいウナギのような何とも気味の悪い顔をした。

「何だよ…中を見たのかよぉ、イヒヒヒ…いやらしい兄ちゃんやなあ」
寺山氏に悪びれた様子はない。
さっきしょげ返って見えたのは、どうやら演技だったようだ。
俺は余計にイラッとした。

「アンタに言われたくないね!俺を中学生にエロ下着を穿かせようとするロリコン変質者にしようとしやがって!」
「兄ちゃんが贈ったら上手くいくと思ってよぉ…」
「勝手にやれよ!俺を巻き込むんじゃね〜よ、このキチガイ!」
「だってよ、兄ちゃんも穿かせたいだろ?葵ちゃん可愛いし、結構発育も…」
「黙れ!ロリコンピエロ!このペニーワイズが!」
「ペニスサイズ?イヒヒ、兄ちゃん何でオレのそんなのが気になるんだよ?」
「うっせ〜!この野郎!」

怒りが頂点に達した俺は氏につかみかかった。
でも寺山氏は妙に腕力があって全く押し込む事ができず、しばらく揉み合った。


「ちょっと!うるさいわよ!」
興奮して騒ぎ声が大きくなってしまったせいか、1階のオカマ奇人こと藤崎ミコ氏が部屋の前まで怒鳴り込んできた。
「あの〜どうかしたんですか?」
藤崎氏の後ろから水端葵がひょこっと顔を出す。
様子を見に来たらしい。

「……!!」「…!」
俺と寺山氏が揉み合っている中、「あら…何よこれ?」と落ちている紙袋を目ざとく見つけた藤崎ミコ氏が拾い上げた。
「きゃっ、下着じゃないの…嫌ねぇ」

「あ、それは…!」
と振り返った俺が見たものは…!
何とあの暗黒のメモを読んでいる水端葵の姿だった。











更新日:2020-06-11 00:57:22

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