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小説

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路地裏アパートの怪人たち

この俺、沢村凉一(さわむらりょういち)は古い由緒ある建築物で暮らしている。
まあ、ありていに言えば路地裏にあるオンボロアパートで暮らしている。
当然、由緒なんてものは無い。
だから御利益などもあるはずがない。不利益なら腐るほどある。

あまりにも古臭いため、心霊アパートのような妙な存在感があり、
周辺に妖気を無駄に発散させてしまっている。
「実はこれは廃墟なんですよ」と言われたら、たいがいの人は
「ああ、そうでしょうね」と納得してしまうだろう。

2階建て、上に4部屋、下に4部屋のこぢんまりとした小さなアパート。
まだ21歳である俺がここに住んでいる理由は広さの割に家賃が安いからであって、
当然ながら廃墟マニアという訳ではない。

暮らしてみてすぐにわかった事は、このアパートで暮らす住民達はみんな頭のネジが外れた、
残念な連中ばかりだということだ。
そして何故か俺はそんな奇人達のせいで苦労をさせられる事が多かった。

住む場所をここに選んだ事を後悔しっぱなしの俺はいつも、
「お金さえ貯まったら、すぐに出て行ってやる」と決意するのだけど、
待てども海路の日和なく、お金は一向に貯まりそうに無かった。












更新日:2020-06-25 08:39:16