官能小説

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夢の中の約束

キー・・・パタン。


そーっと玄関のドアを開ける。

足もとをほの明るいライトが照らす。

ゆっくりと影が一緒にゆらめいて、秘密めいた気分になる。


「ふふっ・・・。えらいえらい。」


ベッドルームを覗いて、すぴすぴと寝息をたてるれいちゃんの姿を確認する。

私が、自分のお家なのに、コソコソと帰ってきているのは、そういうことだ。


「さゆみさんにおかえりなさいを言いたいから、起きてます!」

「ダメだよ。トップさんとして、れいちゃんに一番必要なのは?」

「・・・すいみん・・・です・・・。」

「だよね?れいちゃんが元気なかったら、組子が心配するでしょ?」

「・・・はい。」


時間を作ろうと努力しても、難しいことはわかってる。

やらなければならないこと、やりたいことをやって、残った時間が睡眠時間。

私はそのほうが質のよい睡眠になって、短時間でも大丈夫だったけど、れいちゃんはそういう訳にはいかない。


「まずは、自分のことを優先して?それが、私にとっても一番嬉しいことだよ?」


お互いの「想い」を伝えたいあまりにたくさん衝突した。すれ違った。


今は。


愛されている自信があるから。愛している自信があるから。

お互いに安心して自分のことに集中できる。


「強くなったよねー。」


彫刻みたいに整ったれいちゃんの鼻先をつつくと、ふにゃっと頬をゆるめてまあるくなる。


「なのに、かわいさは倍増だしさー。どうしてくれるんだよー?」


あふれる愛おしさをこらえきれずに、お布団ごとゆさゆさと抱き壊したくなる。


「アブナイ。アブナイ。」


睡眠優先しなさい!とかって言っておきながら、私が約束を破ってしまいそうだ。

ホームである宝塚の地を離れがたくて、東京と宝塚を往復する毎日。

遠距離恋愛という選択肢もあったけど、やっぱりこの寝顔を見ると帰ってきて良かったな。と思う。

更新日:2020-05-31 15:36:30

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