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退屈  その8

p8 『お早う』倉持は外でラジオ体操する二人に声を掛けていた。『どうだね』。『昨日の事がトラウマになってないといいんだが』?「大丈夫です」「スーパーで買う鶏の股肉も、ささみ肉も元は生きた鶏を工場で大量に解体してるンですものね」。《解体された肉はなんとも思わない自分達がいたと言うことですよね》と、夫が言った。其を聞いた倉持は、『安心しました』。と、二人を称賛していた。『今日は水の濾過装置の中を
取り替えよう』。『飲み水だけは、このタンクの中に入れてある活性炭の力で水を濾過してるんだよ』。『梯子を掛けて、蓋を外して、中身全部取り出そうか』。『袋詰めだから、簡単に終わるよ』。
『炭は乾燥して、他に利用するから、取り出したら、新しい炭を水洗いして、袋に詰め小石は、綺麗に洗い再利用するから、奥さんやってください』。『砂も同様に再利用するから、水洗いして、上水捨てたら、又、袋に詰めて、砂が一番した次に小石入れたら、次に活性炭を入れて、その上に小石は入れるんだ』。『元は山の湧き水を井戸に貯めて、ポンプで送水してるんだが、雨の多い日は、どうしても水が汚れるので、この濾過装置は必要になって来るんだよ』。『下の足の部分はペンキを塗っておこう』。『錆止めになるからね』。『こうして作業は進み次は、鶏の卵を親鳥が暖めてるから、順調に育っているか、見てみよう』。『このライトで照らすと、血管が
うっすらと見えてるのは、順調に育ってる証なんたが、濁って見えるのは、無精卵か、死んでしまっているから、取ってしまうが、鶏は全部取ってしまうと、失くなったと理解するが、一つでもあれば、一生懸命暖めるよ』。『23日温めて雛がかえるんだよ』。『牡だとどうしようもないが、孵化工場では、選別てで牡だとして弾かれれば、即、肥料として粉砕されてしまうか、ゴミ扱いで処理されているのが、現実の世界なんたよ』。『綺麗事では、現実は生きていけないんだよ。鷺ノ宮夫妻は、身を引き締めて聞いていた。

更新日:2020-05-20 16:08:37

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