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車中  その3

p3 道中行き交う車も少なく道路端に置かれている自販機も見かけない道をひたすら走り続ける、、
「ねぇ、あなた」「カーナビも何も言わなくなったね」。
《そうだな、カーナビも退屈だなぁ…》
「オーイ、カーナビ君まだかぃ~」
……目的地迄後一キロです。「一キロだって…」《アッ、家が見えてきた》《倉持さん言ってたけど、佐藤さん宅で最初の曲がる道訪ねてって、言ってた》「此処で止めて聞いてくる」「ごめんください」。「こんにちは」、『ハイどなた』「すみません」。「道をお尋ねしたいんですが」、「倉持さんと言うお宅ですけど」、『じっちゃんの所か』『あんたら、テレビ局?』「いえ、私、倉持さんのお宅に泊まりに行くんです」。
『じっちゃんは、今、住んでる所の買い手探してるんだが』、、『もしかして』、『あんたら夫婦』?『あそこも後継者居ないから、後継いでくれる人を探してるんだけど…』、『もし、決まったら、知らせてや』、「ありがとうございます」
『地図書いて上げるからちょっと待ってや』、『これ』、『前の道行くと直ぐに二差路で、そこを左手に行くと道なり、アスファルト舗装だから、大丈夫』「ありがとうございます」「これ東京のお土産ですけど、倉持さんと、ご縁あったら、又、色々とお世話になります」。「ご近所の寄り合いでお召し上がり下さい」。
「ハイ、あなた地図」《田舎って親切だなぁ》《よし、出発》「アッ、此処ね」「左手ね」「道狭くなったね」《でも、舗装されてるからさ》「アッ、表示看板出てる」「まだ、新しいね」倉持さんが私達の為に出してくれたかもね。
《そうだね》《もう麓から30分位走ったかな》「アッ、屋根見えてきた」「うぁあ」、「凄い!」【こんな山奥に、ポッンと洋館】「お庭も綺麗に手入れされてるぅ」「凄い」《凄いな》二人はポツンと洋館に到着したのであった。

更新日:2020-05-20 13:21:42

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