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戦いの神アテナ

俺は物置小屋に戻り中に入る。

矢内「待たせたな。城まで案内してくれ。」
「お前、一人か?」
矢内「ああ、俺を殺すつもりなら止めておけ。」
「何?」
矢内「まず俺を殺してなんの手柄になる?俺の首を城に持って帰っても税金を払えなかった者を取り逃がした罪でお前が死刑になるだけだぞ?」
「お前の首で帳消しになる。」
矢内「ならねえよ。たったの1ヶ月税金を払わないだけで死刑にするような王様だぞ?1末端の兵隊なんか大事にすると思っているのか?この国の王様は兵隊なんか代わりはいくらでも補充したらいいとしか思っていないぞ。」
「そんな訳…。みんな、ずっと必死に戦って…。」
矢内「知らねえよ。お前達は今まで何も考えずに生きてきただけだろ!都合が悪くなったら人のせいにするな!この人殺しが!」
「何で…。この国の人間でも見ず知らずの奴にそんな事を…。」
矢内「外からだから見えるんだよ。この国が腐っている事ぐらいはな。で、この国の王様は何代目なんだ?」
「何代目?何を言っているんだ?」
矢内「なんだよ。それすら知らないのかよ。どうしようもねえな。まあ、どうせ王の座を受け継いでから何年も経っていない糞ガキだろう。剣なんてろくに握った事のない奴だと思うぜ。」
「何でそんな事が分かるんだ?」
矢内「何も考えられないお前に話をしても時間の無駄だ。お前は王様を殺す事だけ集中していろ。」
「本当に殺るつもりなのか?」
矢内「別に俺はこのまま逃げても良いけどお前は普通に戻っても死刑になるだけだからどっちでも良いがな。」
「そんな…。助けてくれ!」

本当に自分の事しか考えられない奴だな。まあ、精々利用させてもらうか。

矢内「作戦は考えてあるから安心しろ。お前は玉座に近づき王様を刺し殺すだけの簡単な仕事をしたらいい。」
「わ、分かった…。成功したら俺が王様か。全てが手に入る!」
矢内「おう、そうだぞ。次の王様はお前になるからしっかり殺れよ。」
「ああ!城まで案内する!」

何も考えずに生きてきたお前なんかが人の上に立てる訳ないだろマヌケ。俺は捕まえた兵隊をそそのかして城に向かう。

更新日:2020-04-13 23:25:06

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