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トロツキーの再来 千年王国と悪魔くん
--わかると思うが、君達は優秀な革命戦士なのだ。此れから君達には資本主義が如何に腐っているのかを紹介しよう。
--資本主義が如何に腐っているのか?
--ヒイイ、止めてくれよおお……何で恋しちゃあいけないんだああ!
--恋愛は猛毒だとマオは仰った。依って貴様には総括を掛ける……ウーズティン・リンシャン、やりなさい。
--了解しました、先生。
--ギャアアアアア、止めろおおお。止めてくれええええ!
--先生、ビョウバンが息絶えました。
--其れは残念。彼は此の程度の総括に耐えられなかったのだね。依って革命戦士に相応しく在りませんなあ。埋めてしまいなさい!
--ハハッ……御意の侭に!
--ウーズよ、お前にも子供が出来たんだな。
--遺伝子を残すのは革命戦士の務め。トラヴィスよ、恋愛とは違うのだ。
--そうだ、トラヴィス。知っているぞ、お前が隠れてセックスに明け暮れる事を!
--気にするな、マークオン。革命戦士には娼婦を漁るのも有難いのだからな。
--ウーズ、わかっていると思うが其の子供の母親は……僕の妹なのか?
--其れが如何した? ドロシーとは下らん感情の下で子作りに励んだ覚えはないがね。
--本当にそうなのか、ウーズ?
--黙れ、トラヴィス。ウーズティン様の意見に未だ……
--放っておけ、マークオン。トラヴィスよ、余り私に意見をするようだったら此方にも手が在るのを忘れん事だな。
--貴方、何を、したの?
--何って? 始末したんだぞ、ドロシーよ。
--そんなの、貴方の、求める、物、じゃない。
--何、ドーズが脱走しただと!
--はい、父さん。あいつは俺達の崇高な理念を否定しました。許し難い反革命思想ですよ。
--フンッ、所詮は失敗作か。ドロシーを始末して正解だったな。
--其れで如何しますか、父さん?
--貴様も確か失敗作のドロシーの子供だったな? ウルズよ、私の息子だと証明されたいならさっさとあの失敗作を始末しに行くんだ。
--え? 父さん、俺は、俺は革命戦士としての……
--何をしている? 何なら此処で貴様を始末するのも一興だが?
--わ、わかりましたああ!
--ハアハアハア。
--ウルズもやはり失敗作だったか。弟如きに返り討ちに遭うとは……ドロシーも碌な遺伝子を持たないな。
--母さんを、何で母さんをそんな風に言えるんだよお!
--失敗作は失敗作だ。あの女は革命戦士に相応しくないのさ。
--だったら貴方は如何なのですか……父さんンンん!
其の男は自分が此れ迄歩んで来た人生は正しいと信じて疑わない。そんな男の傍には右腕と呼ばれる男が立つ……「未だ『シューマ・トラヴィス』を見付ける事も出来んのか、『マークオン』!」其の男は右腕に対して苛立ちを見せる。
「申し訳在りません、ウーズティン様。奴を捕まえる事が出来れば那国共産党に恩を売り渡す事も出来、ジョウ・ヨウスン等反逆者共を一掃する絶好の機会を得られるのに!」
「まあ良い、どっち道今はロクシスの目的に力を貸す事に集中しないとな。『理想郷(ユートピア)』を破壊すれば我々の理想とした共産主義社会は実現するからな」
「其れはそうですが、ウーズティン様」
「何だ、私の意見に何か不服でも在るのか?」
「二点だけ在ります。何故あのような不気味な若僧と手を組むのですか?」
「わからんか? 奴の思想は我々の思想と合致する。此の腐敗した世界を自らの手で切り開く事は即ち真の共産主義社会の実現と相違はない!」
「貴方を利用しているのではないのですか?」
「奴は意外と甘ちゃんだ。本当に私を危険だと思うならカズーロよりも先に私が粛清されるべきだろう……そうしないのは奴が富んだ甘ちゃんに他成らん。警戒する必要はないな」
「ではもう一点……何故今もドーズティン様を放っておくのですか?」
「期待しているからだよ、奴には」
「失敗作ですよ」
「曲がりなりにも此の私の遺伝子を持ち、更にはウルズを始末した其の力……親子の縁を否定する共産主義に於いて実に貴重なサンプルじゃないか」
「彼を後継者にする事は反対します。共産主義の理念に反するのです」
「心配するな、マークオン。奴が死ねば其の程度だったと諦めるだけだ。其れにしても死んでもドロシーは私の邪魔ばかりするようだな」
「あの女を未だ気にするのですか?」
「ああ、ずっとドロシーは自分が雌馬だという自覚がない。死んでも私を縛り付けて離れない。其れがドーズのような失敗作を生み出してしまったからな!」
正直何故私が奴を引き入れたのか今でも理解出来ずに居る。こんなにも嫌悪するような思想を持ち続けながらも……似ているのだろうな、私の求める救世主の思想と!
--資本主義が如何に腐っているのか?
--ヒイイ、止めてくれよおお……何で恋しちゃあいけないんだああ!
--恋愛は猛毒だとマオは仰った。依って貴様には総括を掛ける……ウーズティン・リンシャン、やりなさい。
--了解しました、先生。
--ギャアアアアア、止めろおおお。止めてくれええええ!
--先生、ビョウバンが息絶えました。
--其れは残念。彼は此の程度の総括に耐えられなかったのだね。依って革命戦士に相応しく在りませんなあ。埋めてしまいなさい!
--ハハッ……御意の侭に!
--ウーズよ、お前にも子供が出来たんだな。
--遺伝子を残すのは革命戦士の務め。トラヴィスよ、恋愛とは違うのだ。
--そうだ、トラヴィス。知っているぞ、お前が隠れてセックスに明け暮れる事を!
--気にするな、マークオン。革命戦士には娼婦を漁るのも有難いのだからな。
--ウーズ、わかっていると思うが其の子供の母親は……僕の妹なのか?
--其れが如何した? ドロシーとは下らん感情の下で子作りに励んだ覚えはないがね。
--本当にそうなのか、ウーズ?
--黙れ、トラヴィス。ウーズティン様の意見に未だ……
--放っておけ、マークオン。トラヴィスよ、余り私に意見をするようだったら此方にも手が在るのを忘れん事だな。
--貴方、何を、したの?
--何って? 始末したんだぞ、ドロシーよ。
--そんなの、貴方の、求める、物、じゃない。
--何、ドーズが脱走しただと!
--はい、父さん。あいつは俺達の崇高な理念を否定しました。許し難い反革命思想ですよ。
--フンッ、所詮は失敗作か。ドロシーを始末して正解だったな。
--其れで如何しますか、父さん?
--貴様も確か失敗作のドロシーの子供だったな? ウルズよ、私の息子だと証明されたいならさっさとあの失敗作を始末しに行くんだ。
--え? 父さん、俺は、俺は革命戦士としての……
--何をしている? 何なら此処で貴様を始末するのも一興だが?
--わ、わかりましたああ!
--ハアハアハア。
--ウルズもやはり失敗作だったか。弟如きに返り討ちに遭うとは……ドロシーも碌な遺伝子を持たないな。
--母さんを、何で母さんをそんな風に言えるんだよお!
--失敗作は失敗作だ。あの女は革命戦士に相応しくないのさ。
--だったら貴方は如何なのですか……父さんンンん!
其の男は自分が此れ迄歩んで来た人生は正しいと信じて疑わない。そんな男の傍には右腕と呼ばれる男が立つ……「未だ『シューマ・トラヴィス』を見付ける事も出来んのか、『マークオン』!」其の男は右腕に対して苛立ちを見せる。
「申し訳在りません、ウーズティン様。奴を捕まえる事が出来れば那国共産党に恩を売り渡す事も出来、ジョウ・ヨウスン等反逆者共を一掃する絶好の機会を得られるのに!」
「まあ良い、どっち道今はロクシスの目的に力を貸す事に集中しないとな。『理想郷(ユートピア)』を破壊すれば我々の理想とした共産主義社会は実現するからな」
「其れはそうですが、ウーズティン様」
「何だ、私の意見に何か不服でも在るのか?」
「二点だけ在ります。何故あのような不気味な若僧と手を組むのですか?」
「わからんか? 奴の思想は我々の思想と合致する。此の腐敗した世界を自らの手で切り開く事は即ち真の共産主義社会の実現と相違はない!」
「貴方を利用しているのではないのですか?」
「奴は意外と甘ちゃんだ。本当に私を危険だと思うならカズーロよりも先に私が粛清されるべきだろう……そうしないのは奴が富んだ甘ちゃんに他成らん。警戒する必要はないな」
「ではもう一点……何故今もドーズティン様を放っておくのですか?」
「期待しているからだよ、奴には」
「失敗作ですよ」
「曲がりなりにも此の私の遺伝子を持ち、更にはウルズを始末した其の力……親子の縁を否定する共産主義に於いて実に貴重なサンプルじゃないか」
「彼を後継者にする事は反対します。共産主義の理念に反するのです」
「心配するな、マークオン。奴が死ねば其の程度だったと諦めるだけだ。其れにしても死んでもドロシーは私の邪魔ばかりするようだな」
「あの女を未だ気にするのですか?」
「ああ、ずっとドロシーは自分が雌馬だという自覚がない。死んでも私を縛り付けて離れない。其れがドーズのような失敗作を生み出してしまったからな!」
正直何故私が奴を引き入れたのか今でも理解出来ずに居る。こんなにも嫌悪するような思想を持ち続けながらも……似ているのだろうな、私の求める救世主の思想と!
更新日:2020-06-09 04:51:55