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無能提督の銀河遠征 十月分
捌章 上木戒斗、ギルディーバに捕まる
「……無様だな、上木戒一」
「だな、まさか此の私が此れ程迄に落ちぶれるとは思いもしなかった」
「鎖で繋がれ、更に毒殺を恐れて何も飲まず食わずの生活。御蔭で点滴液を命綱にする体に成ってしまったな。あの馬鹿息子が今のお前と再会したなら如何思うかな?」
「寧ろ君と出会う方があの子にとってリアクションが大きい事を期待するよ」
「何処迄も子供に甘い馬鹿親め。お前みたいな何も考えずに子供を溺愛する親が居るから国民一人一人の質は大きく低下するんだよ。子供は適度な愛と適度な逆風を受けてから上等な国民として成長するのだよ」
「其れは子供を持たない貴方が言える義理では在りません」
「養子なら幾らでも持っている。尤も実力主義で養子にしたドラ息子達だがな」
「だが、徳川。お前は其の息子達を自分の権力を確実にする為の道具のようにしか育てていない。故にお前は私を批判する権利は何処にもない」
「言うじゃないか、上木戒一。まあ良い、そろそろわしが見込んだ彼等が例の艦隊を無力化してくれようぞ。そしてお前が其れを知って顔をゆがめる姿を思い浮かべるだけでわしは安眠出来るって物じゃ」
「フム……例の、今どの艦隊がデビルナンバーを討伐している?」
「どの艦隊じゃ? ビフォアアンテナ及びアフターアンテナで届けた情報の精査は済んだのか?」
「そ、其れが……未だ未だでして」
「宇宙は未だ未だ我々を時間旅行させたくてうずうずしているのだな」
「フン、学生のフラッシュアニメ(※)通りにはいかん。そう信じているからな」
「だが、我々は神には成れない。益してや『神才』と呼ばれる九十九居る化物共みたいにアインシュタインの口から泡を吹かせる事は出来まい」
何時の世も距離と時間は喫緊の課題と成る……
※ 嘗てフラッシュアニメで上映された少女が外宇宙で宇宙人と交戦して活躍するラブストーリー。其処で描かれるのは地球に残った幼馴染が少女よりもどんどん年老いて行き、連絡も徐々に時間を於いて交換するという正しく双子のパラドックスを証明するような内容。
「……無様だな、上木戒一」
「だな、まさか此の私が此れ程迄に落ちぶれるとは思いもしなかった」
「鎖で繋がれ、更に毒殺を恐れて何も飲まず食わずの生活。御蔭で点滴液を命綱にする体に成ってしまったな。あの馬鹿息子が今のお前と再会したなら如何思うかな?」
「寧ろ君と出会う方があの子にとってリアクションが大きい事を期待するよ」
「何処迄も子供に甘い馬鹿親め。お前みたいな何も考えずに子供を溺愛する親が居るから国民一人一人の質は大きく低下するんだよ。子供は適度な愛と適度な逆風を受けてから上等な国民として成長するのだよ」
「其れは子供を持たない貴方が言える義理では在りません」
「養子なら幾らでも持っている。尤も実力主義で養子にしたドラ息子達だがな」
「だが、徳川。お前は其の息子達を自分の権力を確実にする為の道具のようにしか育てていない。故にお前は私を批判する権利は何処にもない」
「言うじゃないか、上木戒一。まあ良い、そろそろわしが見込んだ彼等が例の艦隊を無力化してくれようぞ。そしてお前が其れを知って顔をゆがめる姿を思い浮かべるだけでわしは安眠出来るって物じゃ」
「フム……例の、今どの艦隊がデビルナンバーを討伐している?」
「どの艦隊じゃ? ビフォアアンテナ及びアフターアンテナで届けた情報の精査は済んだのか?」
「そ、其れが……未だ未だでして」
「宇宙は未だ未だ我々を時間旅行させたくてうずうずしているのだな」
「フン、学生のフラッシュアニメ(※)通りにはいかん。そう信じているからな」
「だが、我々は神には成れない。益してや『神才』と呼ばれる九十九居る化物共みたいにアインシュタインの口から泡を吹かせる事は出来まい」
何時の世も距離と時間は喫緊の課題と成る……
※ 嘗てフラッシュアニメで上映された少女が外宇宙で宇宙人と交戦して活躍するラブストーリー。其処で描かれるのは地球に残った幼馴染が少女よりもどんどん年老いて行き、連絡も徐々に時間を於いて交換するという正しく双子のパラドックスを証明するような内容。
更新日:2020-10-06 18:53:17