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時雨
本日三度目の時雨だった。
教室の窓から、また小雨が降り出した。
竹林がそぼ降る雨に濡れているのを僕はみていた。
最近寒くなったよねと、まったく交流の無い女生徒の声が聞こえて、まったくもってその通りだと心の中で同意した。
そろそろ制服の上着では、外気の冷たさを凌ぎきれなくなってしまいそうだ。箪笥に眠っているコートを引っ張り出さないといけない頃合いなのだろう。
夏には冬の凍てつく空気を渇望するものだけど、いざ寒さがくるとそんな気はすっかり失せてしまう。
だけれど、気候はともかくとして、冬という季節はいい。
クリスマスと正月がある。束の間の幸福と平穏の時間だ。それから、冬の終わりには卒業式がある。
区切りがあるからこそ、新しい始まりへの期待が生まれる。
同じ事の延長線では、ただただダレるだけなのだ。事実上、やってることが同じだとしても、節目が必要なのだ。
僕が寒さが苦手なくせに冬という季節が好きなのは、退屈な日常の終わりを常に願っていることの証左なのかもしれない。
教室の窓から、また小雨が降り出した。
竹林がそぼ降る雨に濡れているのを僕はみていた。
最近寒くなったよねと、まったく交流の無い女生徒の声が聞こえて、まったくもってその通りだと心の中で同意した。
そろそろ制服の上着では、外気の冷たさを凌ぎきれなくなってしまいそうだ。箪笥に眠っているコートを引っ張り出さないといけない頃合いなのだろう。
夏には冬の凍てつく空気を渇望するものだけど、いざ寒さがくるとそんな気はすっかり失せてしまう。
だけれど、気候はともかくとして、冬という季節はいい。
クリスマスと正月がある。束の間の幸福と平穏の時間だ。それから、冬の終わりには卒業式がある。
区切りがあるからこそ、新しい始まりへの期待が生まれる。
同じ事の延長線では、ただただダレるだけなのだ。事実上、やってることが同じだとしても、節目が必要なのだ。
僕が寒さが苦手なくせに冬という季節が好きなのは、退屈な日常の終わりを常に願っていることの証左なのかもしれない。
更新日:2020-01-25 11:34:56