• 6 / 160 ページ

衛星からの攻撃とアテナの降臨 2

「・・情報収集に集中しているようだが、あまり集まっていないようだね・・・・」
ケンタッキーのある山腹に建つ山荘の前・・・・
レイモンド・レディントンが山高帽を被りコートを羽織ったまま、粗末な椅子に座り粗末なテーブルに乗せたPCのモニターを見ていた。
右後ろにはベンベが立ったまま控えている。
「・・攻撃されますね?・・」
「・・ああ・・だが今地上にあるどの攻撃オプションでも、あれを撃墜するのは不可能だな・・・・」
指令室・・・・・
「・・ビーム・レーザー同時攻撃100秒前です・・」 「・・このまま待機・・ああ、攻撃3秒前に遮光フィールドを展開・・・」    「・・了解・・・」
「・・総員、第1警戒配置へ・・・」  「・・了解・・」
闇の中・・・・
「・・どうやら奴等に出し抜かれたな・・」  「・・奴等?・・」
「聖域(サンクチュアリ)だ・・」  「!・アテナが降臨したのか!?」
「何故分からなかった!・・」  「・・あれだよ・・あれに気を取られていた・・」
「!・今からでも聖域を・!」  「無駄だ・・もうあそこには誰もいない・・・アテナは既に隠された・・」  「・・やはりあれには光の使徒がいるのではないのか?・・」
「・・いや、それはない・・・いればわかる・・・・」
「・・だが連携している・・光の使徒があれに与しているのは確かだな・・・」
「・・16年前には、レムリアの覚醒を阻止できなかった・・やつらは着実に力を増しているぞ・・・」
「・・ラ☆ムーの星の実態もその在り処も、まだわかっていないからな・・・・」
「・・レムリアの覚醒を阻止できなかった件にも、あれの中の者共が噛んでいるのかな?」
「・・・今となってはわからんが・・・かも知れんな・・・だが慌てる必要は無い・・・向こうが力を増すのなら、こちらにも力が集まる・・・・毎回同じ事だ・・・バランスは保たれる・・・・問題はどう始めて・・・どう終わらせるかだ・・・」
ネプチューン・ブリッジ・・・・
「・・艦長・・やまとが増速中・・・距離が開きます・・」  「・・何があった?・・」
「・・海江田艦長が唐突に40ノットまでの増速を指示しました・・原因となるようなものを示す会話はありませんでした・・」
「・・予定ではもうフェイズ1の起動が完了した筈だ・・間もなく世界中が蜂の巣を突いたような騒ぎになる・・・コースと深度に変化は?・・・」
「・・・変化ありません・・・コース262・・深度950です・・」
「・・どうしますか?・・30秒で40ノットに到達します・・・3分で距離2800を超えます・・」  「・・遮音フィールドのレベルは?・・」 「・・最大です・・」
「・・海江田艦長・・・感受性のレベルはかなり高いとの評は読んだが・・・何か感じたかな?・・・・40分はこのまま待機・・ポセイドンには発信しなくて良い・・こちらが動かなければ向こうも動かない・・・付近に他艦は・・?・・」
「・・現状では確認できません・・・・報告はどうしましょう?・・・」
「・・Mネットを通じてやまと増速とだけ発信してくれ・・」   「・・了解・・」
MAC01指令室・・・・
「・・発射10秒前です!・・5秒前・・遮光フィールド展開・・来ます!・・・・・・到達しました・・・・・・加速荷電粒子ビーム、ディフレクターシールドで阻止されました・・・・シールドパワー93%・・回復します・・・レーザーはフェイズシフトで阻止されました・・・・相転移変動率・・3%・・回復します・・・損傷なし・・影響なし・・間もなくレールガン、核ミサイル発射されます・・・ミサイルは発射直後にこちらで制御します・・・?!うん?・・・異常を検知・・カウントダウンが止まりました・・・攻撃コマンドプロセスリンケージが削除されました・・・攻撃指令が取り消されたようです・・」
「・・取り消し指令はどこから?・・」
「・・・発信元はエシュロン・ネットワークですが・・分析によれば・・・・・・イルミナティですね・・・」
「・・弾を温存しましたね・・・」河邨 義之が言った。
「・・・・ああ・・もうすぐ我々の発したメッセージが、世界の中で響き始める・・・・彼等はそれがもたらす自分達には予測できない世界の動きを恐れている・・・・次はなりふり構わず撃ってくるぞ・・・・」
「・・ファーストメッセージのループ発信を終了します・・・今の攻撃のモニターデータを添付して、セカンドメッセージのループ発信を開始します・・・それと、やまとが40ノットに増速しました・・・」
「・・・浮上予定時間が変わりそうかな?・・・」  「・・それは無さそうです・・」

更新日:2020-01-21 19:46:20

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook