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サマリタン休眠とニューヨーク攻防戦

MAC01指令室・・・・
「・・中隊の発進準備は?・・」   「・・進行中ですが・・・」
「・・中隊長に繋いでくれ・・サマリタンの状況に変化は・?・・」
「・・ありません・・まだ休眠状態には入っていません・・・」
「・・サマリタンの全体をシールドして、Mネットのサイバースペースの中に格納してしまうと言うのはどうでしょう?・・・」
チーフ・オペレーターのシェリドン・ホークスが訊いてきた。
「・・・それをやるには、サマリタン専用のプラットフォームをMネットスペースに造らなければならないんだが、もう時間が足りないな・・・ジョン・グリア氏が、適正に判断してくれることを期待するしかないよ・・・」
その時、左上のモニターが開いた。
「・・レッドリーダーのラウル・シニーズです・・」
「・・ああ、シニーズリーダー、まず発進時だが、発進ゲートも含めてミラージュコロイドで遮蔽するから、そのまま遮蔽しながら航行してくれ・・・」   「・・了解・・・」
「・・敵艦隊は大気圏離脱後に艦隊シフトパターンの再設定に入る・・・・時間にして1時間ぐらいで終わるだろうが、この隙に仕掛ける・・・中隊はミラージュコロイドを解除し、光学迷彩に切り換えて接近・・・まず艦体を覆っている電磁フィールドの極性・出力・周波数を計測して同調・同期するように・・・出力が足りない場合に備えて、パワーパックも可能な限り積載するように・・・・同期ができたら敵艦隊全艦のブリッジとメインエンジンの外壁にそれぞれ複数、アクセスセッターを接着させて、一旦は安全圏まで離脱して待機・・あとはこちらでやるから、中隊は不測の事態に備えて現場宙域の監視を厳に・・・・」
「・・・了解しました・・・・あと1時間弱で発進準備完了します・・・」
「・・分かった・・では、発進予定は2時間後で・・・」     
「・・了解・・・」
「・・司令・・裏高野からの報告を基に、Xタイムを算定しました・・・」   
「・・いつと出た?・・・」    「・・・今から、83時間42分後です・・・」   
「・・・それでグローバーを出すことにしたのかな・・?・・」
「・・どうなんでしょうねえ?・・伏魔塔の出現と、それにまつわる地上での騒ぎから眼を逸らせるため、と言う話でしょうか?」
左手から、福居 健次郎が顔を出した。
「・・それで、場所も出たか?・・」
「・・はい・・これも大方の予想通りでパミール高原ですね・・タジキスタン・・パキスタン・・アフガニスタンの国境が接している地域で、近くに明確な目標となるものはありません・・」
「・・・そうか・・・場所も含めて、裏高野と聖域(サンクチュアリ)と梁山泊を含めて、各方面に通告してくれ・・・ロボの修理は、間に合わないようだな・・・大鳥島のソーラー・バードの状況を訊いてくれ・・・それと、世界各地のニュースサイトのチェックを厳しくしてくれ・・・そろそろ妙なものが見付かっていないか?・・・」
「・・力を持つ人間をダークサイドに覚醒させるための触媒ですか・・?・・」
チーフ・オペレーターの一人のグゥエン・シンが訊いた。
「・・そう・・・できればハーディアスがどこで生まれるのかを知りたいところだが、それは無理だろうな・・・」
「・・情報が無いことはありませんが、極端に少ない上に、どれを取っても切れ切れなものばかりでとても場所を絞り込めませんね・・」
「・・司令・・サード・メッセージのループ発信を終了します。続いてフォース・メッセージのループ発信を開始します・・」     「・・了解・・」
「・・・地上からこちらには、まだ何のコンタクトも無いか・・?・・」
「・・まだ始まったばかりですし、ニュース・メディアにもプレッシャーが掛けられているでしょうから、もう暫く時間が掛かるでしょうね・・・でも地上からは必ず、様々な接触があると思いますよ・・」
「・・・サハラから艦隊が飛び立てば、流石に騒ぎ始めるだろうな・・・・まあ、それらも我々にとっては重要な援護の一つになるからね・・・」
「・・司令・・大鳥島からの返信ですが、ソーラー・バード自体の発進準備はまだですが、ボルテス・チームの訓練は終了するとの事です・・・それと、マシーンが対象者を出しました・・・同時に地上でも表示されています・・・ジョン・グリアも含めた、サマリタンのメンバー・・・75名です・・・」
「・・了解した・・ボルテス・チームには、そのまま出動待機態勢に入って貰うように返信してくれ・・・」
「・・サマリタンのメンバーを狙っているのは、Mか?・・・」  「・・そうです・・」

更新日:2020-01-22 18:57:46

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