官能小説

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「あれは幻でもなければ、我々の誰かの起こしたことでもありません!」
 妖精の貴族は、生産活動に携わることがない。そもそも彼らはほとんどものを食べなかった。自然環境に影響を与えるほどの魔力を各自が備えているのに、関心はそんな事には無いのだった。もちろん、人間の絶滅など彼らにとってはどうでもよいことである。神々とコンタクトを取り、そちら側へと存在をジャンプさせることこそが、彼らの専らの関心事なのだった。
 まだ中学生ほどの歳ながら、強力な魔を動かすことのできる少女、フローラは、先の異常現象について、仲間の貴族たちと議論していた。
「何も具体的には起こりはしなかったね。」
 三十歳代とおぼしき女性が言った。フローラは
「誰がしたのかが疑問です。」
「没落貴族がまた現れたのかな。」
 五十代の男性が言った。没落貴族とは、貴族でありながら、下層民に恋したり、自分の愚かな部分に引き下げられたりして、力はそのままに、悪事を始める者のことである。これが、数の少ない男性に多く、また問題となっていた。
 フローラは
「あれは神ではありませんか? だとすると、没落貴族などには扱えない筈です。」
 男性は
「フローラ、神が姿を現すだろうか。召喚などできるなら、誰かがとっくにやっている。あれは、幻像だろう。誰がしたことかは、不明だが。」
「失礼、囚人の見舞いに行ってきます。」
 フローラは席を立った。
 没落貴族のうち、ひどい犯罪を繰り返し、回復する見込みのなくなった者たちは囚人となる。
 もともと魔力の強い貴族の場合、堕落すると、極端に悪意に満ちた者へと変貌することがあった。彼らは召喚魔法を用い、巨大な魔に形を与えさえする。姿形も、美しい貴族から、鬼のようなものに変わってしまうのだった。
 囚人は死刑である。呪文が使えないよう、舌を切られ、手脚も切断されて、処刑の日まで約ひと月、台の上に晒される。
 この制度に幼い頃から反感をフローラは持っていた。貴族にしては珍しく、フローラは世界に愛情を感じていた。何とか囚人たちを、ひと月の間に更生させられないかと、若いなりの考察をしていたのだった。
 男性の囚人になら、自分にも女として何かできるかもしれないとフローラは思っていた。
 フローラが男性囚人の晒し場に到着すると、囚人たちは一斉にフローラを見つめて勃起した。
「今日は長くいられますから、どうぞ楽にしてください。」
 銀色の長い髪をフローラは束ねた。
 十人いる囚人たち一人一人の体を、いつもフローラは丁寧に洗ってやる。首に縄をかけられた状態で台に転がされている囚人の糞を片付け、それから、抱きしめてやる。
 昔、女の偉人がいたとフローラは聞いていた。彼女は囚人たちと交わりながら、世の虚しさを説いた。何人かの囚人は姿を元に戻し、彼女自身は天に引き上げられたという。
 こんな歳で交わっては、自分が堕落しそうで恐かったフローラだったが、できることはしようと決心した。
 囚人の顔を跨いだフローラは、女性器を見せては嗅がせてやり、指を使って射精させてやるのだった。あまりに苦しそうな囚人には、口を使ってやった。乳房を求める者には惜しまず吸わせてやった。
「あ、そこ、とっても感じる。」
 フローラは、積極的に自分もエクスタシーを味わうことにしていた。これがとても危険なことだとは分かっていたけれど、慈愛が元にある限りは大丈夫だとも知っていた。囚人の舌に中学生は幼い女性器を任せた。
 一通り射精させ終わるとフローラは囚人に説教をする。しかし、これが功を奏したことは現在のところ、あるとは言えなかった。
「また参ります。皆さんを私は愛しています。」
 帰り道、人間の男性がまた昨日駆除されたことを、フローラは思い出した。下層民のところへ行く必要を彼女は感じ始めていた。

更新日:2020-01-03 02:29:34

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