官能小説

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やりすぎた果てに

 ヒュアキンテに初潮が訪れた。月経期間、女は外に出ない決まりである。野獣に狙われる危険が増すからというのが、教えられた理由だった。初潮のあった女は、長老に報告する習いだったが、ヒュアキンテはそれを憚った。
 すぐ性交させられるかもしれない。四郎のことを考えると、ヒュアキンテにはそれが喜べなかったのだ。
「お姉ちゃん、四郎はきっと帰ってくるよ。」
「そう思いたい。あたし、四郎の子供が産みたいな。」
「あたしも。でも、あんなに小さいのに、できるかな。」
「これからどうなるんだろう。妖精の敷地が広がってる。住むところがなくなっちゃう。」
「子供が増えても意味ないよね。」
「なんで妖精なんているんだろう。」
「向こうでもそう思ってると思うよ。」
「ばか、どっちの味方だ! ああ、お腹いたい。」
「あたし、その血が出るの嫌だな。なりたくない。」
「あんたはずっと子供のままでいいよ。四郎はあたしが貰うから。」
 姉妹にとっては、四郎の戻る日だけが楽しみだった。ほかに希望とては、もはや何も持ちあわせていなかった。

更新日:2020-01-03 02:38:01

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