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貴族も下層民もお好き
リヴィエラが狩りを貴族に邪魔されたという話を、エスメラルダはよく理解できなかった。同じ階級であれば、ときどきそのような諍いは起こり得る。現に、マロ、レグモ、フルクト達との話し合いの報告からは、一触即発の印象をエスメラルダは受けた。だが、貴族がそこに介入することは普通、無い。貴族は世界に興味がないからである。
「でもね、おかしな事があったんだ。人間の上に、妖精が乗ってたんだってさ。」
「あり得ないよね。」
「それから、空がまた変になっただろう? きっと、その妖精と関係あるんだ。」
「でもあたし達とは関係ないよ。貴族が狩りの度に出てくるとは思えないし。それよりさ、リヴィエラ、最下層民と人間って、どっちが優れてると思う?」
「そりゃ、最下層民でも妖精は妖精だよ。人間なんて、獲物じゃないの。言葉のようなものはあっても、話せるわけじゃないし。あんた、最下層民を食べる気ある?」
「ないけど、人間ってそんなに下等なのかな。あたし達の階級、見た目が一番人間に似てるでしょ? ひょっとして、人間の精液で妊娠しないのかなと思った。」
「やめてよ。ああ、でも男ほしい。妖精の金玉、触ったことないもんね。」
「レグモに行って、握ってくれば?」
「男に会ったらやっちゃおう。ああ、暇! 狩人が狩りをしなかったら何なのよ。」
エスメラルダが思いついたというふうに
「下層民の所に行ってみない?」
「手ぶらで?」
「いつか捕った人間の女の股の干物、もう古いし売れないから持ってってさ、あげる代わりに、あっちの男呼び出させて、本物のおちんちん触ろうよ。」
「ああ、倉庫に置きっぱなしのびらびらね。あんな臭いもの、男しか食べたがらないからね。何枚あったかしら。びらびらって、あたしらのも臭いんだろうね。」
暇な二人は実行することにした。
「女の子のお尻の穴って、いいにおいがするんだ!」
「嘘! 本当なら舐めてくれる? うっ! あんまり広げちゃ嫌!」
「こっちはやっぱり女の子らしいにおいがする。」
「もっと嗅いで! でもおしっこが漏れそう。ああ、この硬いのが男の子なのね! 玉も素敵!」
四郎の陰茎は硬かった。フローラは小刻みに亀頭の裏を指の腹で撫で続けた。
「そんなにしごくともう出る!」
「いいよ! 何度でも私にちょうだい!」
フローラの家に来てから、四郎とフローラは、食事も摂らず、ひたすら性交に耽っていた。不思議と邪悪な方へ陥る危険をフローラは感じなかった。二人は話をまだしていないのに、もうよく知った間柄のような気分になっていた。
フローラは四郎と一つになりたいと思うあまり、四郎が自分を殺して食べてくれたらよい、もしくは自分が四郎を食べてしまいたいなどと本気で思いながら身を任せ、かつ、射精を求めた。命がけの迫力があった。
しかし、本来、人間である四郎の体力はたかだか知れていた。四郎は高熱を出し、床に伏せってしまった。
「ごめんなさい。精子を出しすぎたのね。」
労働などすることのない貴族階級のフローラは、四郎の看病にも喜びを感じている自分に驚いた。四郎の階級のことなど、とうに念頭になくなっていた。
実は、四郎の魔法の件さえフローラにはどうでも良くなりかけていた。この秘密は貴族の運命を変える可能性があるとフローラは直感していた。高みを求める禁欲的な気分こそが貴族階級を形成してきた。だから、男の持つ秘密より男そのものに現を抜かすようでは、階級を逸脱する危険がある。それなのに、四郎に尽くしたい思いは、抑えがたい衝動としてフローラの胸に突き上げてきた。
「玉をちょっと揉み過ぎたかしら。強くし過ぎたかしら。」
眠る四郎の睾丸をフローラは二時間揉み続けた。目覚める様子のない四郎の側にいるだけでも、フローラは幸せを感じた。
しかし、フローラは囚人を見捨てなかった。昨日は夢中で定刻に行くことを忘れてしまったけれど、四郎の寝ている今なら充分時間がある。それに、囚人たちには処刑の期限が迫ってきているのだ。
男を知ったフローラにとって、一斉に切なく勃起して見せる囚人たちは余りに哀れだった。
四郎のものから、包皮について学んだフローラは、全員が包茎である囚人の亀頭を裸にさせてみた。それから、舌で撫で付けて射精に導いた。一人三度ずつの射精を済ませると、フローラはまた包皮を戻し、愛していますと言って囚人たちの元を去った。
囚人の世話と言っても、勝手に食事を与えることはご法度である。フローラは、仕方なく小便を飲ませてやるのだが、囚人たちは、射精後、当然ながら、かなり衰弱した様子だった。
もしかしたら、自分が彼らの死期を早めているのかも知れない。フローラは悩みもしたが、女の股を必死に求める囚人の姿を見れば、間違ったことをしているとはどうしても思うことができないのだった。
「でもね、おかしな事があったんだ。人間の上に、妖精が乗ってたんだってさ。」
「あり得ないよね。」
「それから、空がまた変になっただろう? きっと、その妖精と関係あるんだ。」
「でもあたし達とは関係ないよ。貴族が狩りの度に出てくるとは思えないし。それよりさ、リヴィエラ、最下層民と人間って、どっちが優れてると思う?」
「そりゃ、最下層民でも妖精は妖精だよ。人間なんて、獲物じゃないの。言葉のようなものはあっても、話せるわけじゃないし。あんた、最下層民を食べる気ある?」
「ないけど、人間ってそんなに下等なのかな。あたし達の階級、見た目が一番人間に似てるでしょ? ひょっとして、人間の精液で妊娠しないのかなと思った。」
「やめてよ。ああ、でも男ほしい。妖精の金玉、触ったことないもんね。」
「レグモに行って、握ってくれば?」
「男に会ったらやっちゃおう。ああ、暇! 狩人が狩りをしなかったら何なのよ。」
エスメラルダが思いついたというふうに
「下層民の所に行ってみない?」
「手ぶらで?」
「いつか捕った人間の女の股の干物、もう古いし売れないから持ってってさ、あげる代わりに、あっちの男呼び出させて、本物のおちんちん触ろうよ。」
「ああ、倉庫に置きっぱなしのびらびらね。あんな臭いもの、男しか食べたがらないからね。何枚あったかしら。びらびらって、あたしらのも臭いんだろうね。」
暇な二人は実行することにした。
「女の子のお尻の穴って、いいにおいがするんだ!」
「嘘! 本当なら舐めてくれる? うっ! あんまり広げちゃ嫌!」
「こっちはやっぱり女の子らしいにおいがする。」
「もっと嗅いで! でもおしっこが漏れそう。ああ、この硬いのが男の子なのね! 玉も素敵!」
四郎の陰茎は硬かった。フローラは小刻みに亀頭の裏を指の腹で撫で続けた。
「そんなにしごくともう出る!」
「いいよ! 何度でも私にちょうだい!」
フローラの家に来てから、四郎とフローラは、食事も摂らず、ひたすら性交に耽っていた。不思議と邪悪な方へ陥る危険をフローラは感じなかった。二人は話をまだしていないのに、もうよく知った間柄のような気分になっていた。
フローラは四郎と一つになりたいと思うあまり、四郎が自分を殺して食べてくれたらよい、もしくは自分が四郎を食べてしまいたいなどと本気で思いながら身を任せ、かつ、射精を求めた。命がけの迫力があった。
しかし、本来、人間である四郎の体力はたかだか知れていた。四郎は高熱を出し、床に伏せってしまった。
「ごめんなさい。精子を出しすぎたのね。」
労働などすることのない貴族階級のフローラは、四郎の看病にも喜びを感じている自分に驚いた。四郎の階級のことなど、とうに念頭になくなっていた。
実は、四郎の魔法の件さえフローラにはどうでも良くなりかけていた。この秘密は貴族の運命を変える可能性があるとフローラは直感していた。高みを求める禁欲的な気分こそが貴族階級を形成してきた。だから、男の持つ秘密より男そのものに現を抜かすようでは、階級を逸脱する危険がある。それなのに、四郎に尽くしたい思いは、抑えがたい衝動としてフローラの胸に突き上げてきた。
「玉をちょっと揉み過ぎたかしら。強くし過ぎたかしら。」
眠る四郎の睾丸をフローラは二時間揉み続けた。目覚める様子のない四郎の側にいるだけでも、フローラは幸せを感じた。
しかし、フローラは囚人を見捨てなかった。昨日は夢中で定刻に行くことを忘れてしまったけれど、四郎の寝ている今なら充分時間がある。それに、囚人たちには処刑の期限が迫ってきているのだ。
男を知ったフローラにとって、一斉に切なく勃起して見せる囚人たちは余りに哀れだった。
四郎のものから、包皮について学んだフローラは、全員が包茎である囚人の亀頭を裸にさせてみた。それから、舌で撫で付けて射精に導いた。一人三度ずつの射精を済ませると、フローラはまた包皮を戻し、愛していますと言って囚人たちの元を去った。
囚人の世話と言っても、勝手に食事を与えることはご法度である。フローラは、仕方なく小便を飲ませてやるのだが、囚人たちは、射精後、当然ながら、かなり衰弱した様子だった。
もしかしたら、自分が彼らの死期を早めているのかも知れない。フローラは悩みもしたが、女の股を必死に求める囚人の姿を見れば、間違ったことをしているとはどうしても思うことができないのだった。
更新日:2020-01-03 02:35:56