官能小説

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はじまり

 その日、学校で腹の立つ出来事があった四郎は、両親が週末の旅行に出かけたのを良いことに、ひと瓶ワインを開けて飲んだ。未成年の飲酒である。当然ながら四郎は飲み過ぎた。
「そうか、お前は人のもん借りといて汚して返すのか。よく分かった。そういう奴なんだな。」
 技術の時間に使う彫刻刀を汚したのは四郎ではなく、四郎から半ば無理に又借りした四郎の友人だった。この友人は、他のクラスである当の彫刻刀の持ち主を知らなかった。四郎はその友人と仲が良かったから、彼のせいだと釈明することは憚られた。
 四郎は、普段からストレスを溜め込むばかりで発散する場を持たなかった。
 持ち主の決めつけに、四郎は内心大層憤慨した。友人にも腹が立った。問題は、それが忘れられなくなって、ついに心が怒りで一杯になってしまったことだ。
「ああ、いらいらする!」
 子供の頃から四郎はそんな風だった。気が弱く、他人には怒りを向けられない。そして、一つのことに気が集中すると、そこから離れることが難しい。
 四郎の心臓は高鳴りを増し、血圧は上昇した。
「死ぬ、かも」
 四郎は便所に倒れ込んだ。上下の感覚が分からなくなり、目の前が暗くなっていった。

更新日:2020-01-03 02:22:44

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